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「階段くだり」の作り方【動く木のおもちゃの作り方1】

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動く木のおもちゃ 動く木のおもちゃ
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まず、「階段くだり」とはどんなおもちゃなのか、完成したものをYoutubeで公開しているので、紹介します。

この動画のように、はしごの一番上に駒を置いて手を離すと、駒が下にクルクル回りながら落ちていくおもちゃです。

2歳前後のお子さんでも、自分で遊べなくても駒の落ちて行く動きに喜んでもらえると思います。

この動画のように、はしごの一番上に駒を置いて手を離すと、駒が下にクルクル回りながら落ちていくおもちゃです。

私が木工で子ども用のおもちゃを作る時、

「きっと昔のお父さんは、仕事の合間に家の近所に生えている木や竹を集めてきて、子供達のために竹とんぼや水鉄砲などを作ってあげたんだろうな・・」

そんな思いが沸いて来ます。

a-water-pistol

現代では、子ども達におもちゃを買って与えることは当たり前のことですが、もし、大人が手作りしたおもちゃを子ども達に与えることができたとしたら、とても素敵なことだと思います。

そんな思いを込めて、今回はどこにの家にもあるのこぎり等の工具で気軽に作れる木のおもちゃを紹介します。

難易度は決して高くはなく、ただ、コマが下まで落ちて行くようになるなで、何度も駒の隙間をサンドペーパーで調整する根気強さが必要です。

特別な電動工具も必要ないので、是非挑戦しみてください!
 

必要な材料と工具

 

必要な材料

 

はしご部分

・角材(工作材) :10mm x 10mm X 900mm

・薄板材(工作材) 2mm x 8mm x 540mm

はしごの土台部分

・杉材(パイン材)10mmx 90mm x 140mm

*厚さは10mm〜15㎜程度で可

・角材(工作材)30mm x 30mm x 70mm

 

必要な工具

 

・のこぎり(替え刃式をお勧めします)

・かんな(小)(トリマー)・・(カンナもトリマーもお持ちでない方でも製作は可能です)

・キリ等

・電動ドリル

・10㎜木工用ドリルビット

・彫刻刀(平刀)

・木工用ボンド

・サンドペーパー(#80・#120・#240)

・アクリル絵の具

・アクリルクリア

・絵筆(細目)

・サインペン(極細)

 

作り方

はしご部分の製作

はしごの柱の作成

 

角材(工作材) :10mm x 10mm X 900mmを半分にのこぎりで切断します。

この2本がはしごの両端の柱になります。

切断する工具は、木材の厚さから見てのこぎりで簡単に切断できます。

切断に使うのこぎりは、刃の切れ味が悪くなった時に簡単に交換出来る、替え刃式のものをお勧めします。

替え刃式のこぎりの代表はゼットソーで、普通のタイプと普通のタイプより、切れ味が劣るものの切断面はより綺麗になる八寸目があります。

替え刃式の大きなメリットは、刃のメンテナンスが楽なこと以外にも、柄の本体があれば、用途に応じて刃の交換出来る点にあります。

標準の刃の「ゼットソー265」は切れ味はいいものの、どうしても切断面が荒くなってしまいます。

「265」よりも、細い目の八寸目に刃を交換すると、切れ味は悪くなりますがその分、切断面ははるかに綺麗になります。

 

ただ、真っすぐで直角な切断をするためには、ソーガイドを使うことをお勧めします。

替え刃式のこぎりとソーガイドについては別の記事で使い方を詳細に紹介しています。

そちらの記事も併せて参考にしてみてください。

 

 

ソーガイドをお持ちでない方や、ソーガイドのセッティングが面倒な場合には、切断時にのこぎりが傾くことを防止する当て木をクランプで固定して切断することをお勧めします。

 

<当て木をクランプで固定した状態>

cutting_support_by_a-two-by-four-3

<クリックで拡大>

 

はしごの足場の切断

 

薄板材の2mm x 8mm x 540mmをはしごの土台の幅の90mmづつ、段数の6枚分に切断します。

 

切断面と全体をヤスリで整える

 

はしごを組み立てる前に、あらかじめ柱と足場の切断面と全体にサンドぺーパーをかけて綺麗に整えておきます。

サンドペーパーは、最初に#120でかけた後に#240で仕上げていきます。

 

はしごの組み立て

 

6枚に切り分けたはしごの足場の部材を、下図の間隔で柱に木工用ボンドで接着していきます。
 
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<クリックで拡大>

 

はしごの土台の製作

 

土台の切り欠き部分に墨線を引く

 
まず、柱の大きさの墨線を土台に引いていきます。

駒を落とした時の振動ではじごが前後に動くことを防止しするため、柱をはめ込むぬ位置は、土台の長い辺の140㎜の側の中央に向かい合う位置にします。

切り欠き部の墨線の位置は、下記の図の通りです。

the-position-of-notches

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切り欠き加工をする工具について

一般的に切り欠き加工はノミを使用しますが、この土台の欠き取る箇所は、10mm 四方という、とても狭い範囲の加工です。

このような狭い箇所の切り欠き加工は、ノミではなく彫刻刀(平刀)を使う方が失敗が少なくなります。

彫刻刀の使い方は、手で押し込むのではなく、軽めの玄能で持ち手の後ろを軽く叩いていくことで、切り口が綺麗に仕上がります。

 

切り欠き加工の手順

 

1.最初に、彫刻刀の持ち手に玄能を軽く打ち下ろしながら、墨線上に切り込みを入れて行きます。

 
その際、切り欠き箇所が削り過ぎてはめ込み具合がゆるくなってしまわないように、墨線の気持ち内側に切り込みを入れていってください。

cutting-following-on-inking-line

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2.ある程度まで切り込みが入ったら、彫刻刀を斜めに傾け、切り欠いていきます。

 

<彫刻刀を斜めに傾けて欠き取る>

second-process-by-carving-knife

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3.その後、再び板材に直角に切り込みを入れる加工と、斜めに切り欠く加工とを繰り返していきます。

 

<彫刻刀を直角にして欠き取る>

cutting-downward-right-angle

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4.切り欠き部分が貫通しそうになった段階で、先に板材に直角方向への切り込みを進めて行くようにしてください。

 
直角方向への切り込みがない箇所に、刃が斜めに切り込まれて行くと、板材に欠けが発生する可能性があります。

 

5.両側の切り欠き加工が下まで貫通した時点で、柱と欠き取った箇所のきつさの具合を確認してみてください。

 

欠き取った箇所が小さく、柱が入らない場合は、彫刻刀で修正し、少しきつい程度ならサンドペーパーの#120で微調整をして下さい。

柱がゆるくもなく硬くもない状態になるまで、何度か確認をしながら加工を進めてください。

 

<完成した状態>

confirmation-of-cut-out-parts

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土台の面取り加工

土台の面取り加工は、装飾的な意味合いが強ので、必ずしなくてはならない加工ではありません。

土台に面取りがされていなくても、素朴でスッキリとした印象を与えます。

ただ面取りをすると、ひと手間加えた印象になります。 その辺は作る方の好みに応じて作業をして下さい。

カンナを使う面取り

 

1.四隅の角を丸く(ボーズ面)面取りする

 

この面取りの特徴は、上面の角が取れて柔らかな印象になります。

また、次に紹介する「カンナで面取り加工をする」で紹介する方法で面取りをした結果、削った量が均一にならずに失敗した場合の救済策にもなります。

加工の難易度も低いので、失敗なく面取りが出来るので、木工の初心者の方にはお勧めです。

最初にカンナを傾け上面の四隅を45度に削った後、サンドペーパーで削れた面を少しづつ丸みを付けていきます。

カンナをお持ちでない方は、最初からサンドペーパーだけで加工を進めてください。

サンドぺーパ―は、#60〜#80から始め、その後#120に変え、最後は#240で仕上げて行きます。

2.カンナで直線的な面取り加工をする

 

小さめのかんなで土台の上面の四隅を面取りして行きます。
 

plaining-of-the-corners-by-a-plane

<クリックで拡大>

 

カンナで加工をする時のポイントは、下記2点です。

 

1.加工する板材を動かないように固定する

そのままの状態でカンナを掛けようとすると、板材が動いてしまいます。

カンナを掛ける時は、必ずクランプや治具を使って加工する板材を固定してください。

別の記事で簡単に出来る自作のカンナ加工用のストッパーを紹介しています。 興味のある方は、下記記事を参照してみて下さい。

鉋(カンナ)の自作ストッパー

 

2.削る量を均一にする

かんなを45度に傾け、削った面が均等に削られているかを確認しながら進めてください。

カンナは、どうしても引き始める箇所の削られる量が少な目になり、逆に引き終わる箇所は多目に削られてしまいます。

削られた箇所の全体を見て、削られている量が少ない箇所の近辺を何度か軽く削って調整して下さい。

尚、カンナは刃を研いでメンテナンスをする必要がありますが、そんな作業は素人の私達には難しい作業です。

カンナを購入する場合には、替え刃式のカンナを購入することをお勧めします。

トリマーで面取りをする

トリマーは、一般的には聞き馴染みのない電動工具かと思います。

このサイトでは、面取り以外でも多様な加工が出来るトリマーの使い方を紹介しています。

特に木工の初心者で、これから作品のレベルアップを目指す方は、トリマーでどんなことが出来るか、下記の記事を参考にしてみて下さい。

 

 

既にトリマーをお持ちの方は、トリマーで面取りをすることをお勧めします。

トリマーを使用したことがある方はお分かりでしょうが、トリマーで面取りをすることは、失敗がほとんどありません。

トリマーで面取りをすることは、トリマー加工の入門編として最適なものだと言えます。

しかも面取りをした結果は、まるでプロが加工したようなレベルに仕上がります。

そしてトリマーには、多くの多様な面取りが出来るビットが用意されています。

金額もお手軽な価格で、数本のビットがセットになって販売されています。

今回のおもちゃのような手軽な製作には、色々なビットを端材で試してみて、お気に入りの面取りビットを見つけてください。

私は、自分の持っている面取りビットの中から、柱の欠き取り箇所に影響を与えることが少ないボーズ面ビットを使用しました。

<サジ面ビットの面取り>

spoon-shape-bit

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<ひょうたん面ビット>

gourd-shepe-bit

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<片ギンナンビット>

gingko-nuts-bit

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<今回使用したボーズ面ビット>

 

round-shape-bit

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駒の加工

はしごの上に置いた駒が、手を離すとクルクル回転しながら落ちるように加工をしていきます。
 

駒の2ヶ所に穴開けする手順

 

1.穴を開ける位置に墨線を引く

駒で使用するsけ位置となる端からそれぞれ20㎜の位置にマークを付け、そこにキリ等で、ドリルの刃のガイドになる小さな穴を開けます。

<穴開けするドリルのガイド位置に目印を付ける>

marking-by- gimlet

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2.電動ドリルで穴を開ける

電動ドリルに10㎜の木工用穴開けビットを取り付け、キリで付けたガイド位置にドリルの先端を当て、貫通する穴を2ヶ所開けていきます。

その際には、必ず加工する駒の板材の下に当て木を置き、クランプでしっかりと固定しください。

今回は、駒の大きさが小さくクランプで当て木に固定しにくかったため、駒に両面テープを貼って固定しました。
 
pasting double sided tape-for-back-side-of-the-peace

<クリックで拡大>

当て木を敷かなかったり、当て木をしっかり固定しないでで貫通する穴を開けると、貫通した穴の出口に大きなバリが出てしまいます。

別の記事では、実際に当て木をしないでバリが出てしまった加工例を紹介していますので、木工初心者の方はそちらの記事も参照しておいてください。

また貫通した穴は、駒がスムーズに回転するためには板材に対して直角に開ける必要があります。

直角の穴あけ作業を確実にするためには、電動ドリルを押し込む作業中に電動ドライバーの本体が傾かないように、板材に直角に穴あけが出来るドリルスタンドか、ボール盤の使用をお勧めします。

<ドリルスタンドを使用した穴あけ加工>

through-hole-by-drill-stand

<クリックで拡大>

穴が貫通したら、バリが発生していますので、外部と穴の中もサンドペーパーで滑らかにしておいてください。

穴の内部は、サンドペーパーを丸めたり、細い丸棒に巻き付たりすると内部全体をヤスリが均等に掛けられます。

<穴の内部のヤスリ掛け>

sanding-of-the-hole

<クリックで拡大>

 

駒に切り込みを入れる手順

 

貫通した穴に、両端からはしごの足場が入るようにのこぎりで切り込みを入れていきます。
 

切り込みの加工の4つのポイント

 

1.木表と木端面の2面に切り込む墨線を引く

 

2.駒はクランプ等でしっかりと固定する

 

3.切断の開始位置をしっかりガイドする。

 

のこぎりで切断する開始位置はずれやすいため、当て木や親指でのこぎりの開始位置がずれないよう、ガイドしてください。

 

<切断の開始時に親指でのこ刃をガイドしている例>

cutting-of starting angle-and-following-by-left-finger

<クリックで拡大>

 

4.のこぎりの切断する角度を変えながら、2本の墨線を確かめながら切り進める

 

<切断の開始時:木端面に45度の角度で>

cutting-starting-angle-of-hand-saw

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切断の開始時は、木端面の墨線と木表の切断面を確かめながら、のこぎりが左右に傾かないことを意識して切り進めてください。

 

<木端面に並行に近い角度で切断>

cutting-last-angle-of-handsaw

<クリックで拡大>

 

切断が進んで行くにつれ、のこぎりの向きを木端面に並行になるよう倒して行きます。 それ以降は、45度の傾きと木端面に並行に倒す傾きを繰り返し、穴の位置に貫通するまで切断を進めてください。

 

駒の切り込み幅の微調整

私の使用しているのこぎりは、刃の厚みが2mm弱です。 のこぎりで駒の切り込みが完了した後、はしごの足場に差し込んで確認をすると、幅が狭く入りません。

最初はサンドペーパーの#120前後の番手から始めると狭い隙間にも差し込むことが出来ます。 何度も現物合わせをしながら、その切り込み幅をサンドペーパーで少しづ広げて行ってください。

駒が回転しながらはしごを下りようになっても、途中で止まってしまうことがあります。

その時は、少し幅を広げるようにヤスリで削り、微調整してください。 ただ、切り込み幅が広すぎてしまうと、駒がはしごから外れてしまいまい、その修正は不可能になってしまいます。 くれぐれも、切り込み幅が広くなり過ぎないように注意して下さい。

ある程度の確率で、駒が最上段から土台まで自然に落ちるようになったら加工の完成です。

駒の絵付け

 

駒に子ども達のお気に入りの絵を描いてあげると、その愛着度は増します。 私も絵は苦手な方ですが、ここは外せない行程です。 絵付けをする手順は、下記の通りです。

 

1・駒に背景の色を塗る

必ずしも背景の色を塗らなくてもいいのですが、背景色を塗ると駒の印象がカラフルになります。

着色は、アクリル絵の具がお勧めです。 水性なので扱いも楽で、乾いたあとは耐水性に優れています。

着色に必要な細筆とアクリル絵の具、パレット等は100均で全て手に入ります。

 

<アクリル絵の具>

acrylic paints

2.子どもが興味を持っているものの絵を描く

 

好きな動物・花・・車や電車・男の子・女の子等何でもありです。 絵本やネット上にあるものを参考に鉛筆で下絵を描いていきます。

 

3.下絵に着色をする

小さな面に着色していくので、細めの筆が何本かあると便利です。

多少はみ出した箇所は乾いた後に、水分を少なめにして上から塗り重ねれば、色が透けることもなく修正できます。

また、裏面も人や動物の場合、正面と後姿を両面に描いてあげると、回転した時に子どもに絵柄が交互に見えるので楽しめます。

全体の絵の輪郭を出すために、黒の細字のサインペンで周囲や境目に線を縁取っていくと、絵柄が浮き出て来ます。 ただ、これは絵の上手な上級者には、必要ないかもしれません。

 

4.クリアーを塗る

 

絵付けが完成したら、その上から透明のアクリルクリアを塗ります。 クリアを塗ることで、絵柄の保護と光沢が生まれます。

 

<今回作成した3つの駒の絵付け>

completion-of-three-pieces

<クリックで拡大>

 

まとめ

今回の木の動くオモチャ作りは、上手く駒が落ちるように完成したでしょうか?

使う工具は何処にでもあるものでしたが、作業は細かい作作業が多く、大変だったかもしれません。

一番手こずったのは、駒から手を離してから、最後の一番下の土台まで上手く落ちて行くまでの微調整だったかと思います。

途中で止まってしまう場合、駒の切り込みの隙間を微調整したり、柱の足場の駒の切り込み箇所が入る部分を少しだけ削って調整してみてください。

最初の1台が上手く完成したら、2台目も挑戦してみてください。 もし、はしごが2台になり、駒の数も複数になれば、子どもはきっとその2台で競争を始め、遊びの幅も倍増して行くでしょう。

今回紹介したおもちゃを子ども達にプレゼントしたことで、木工でDIYを始めるきっかけになったり、今の木工の作業

がさらに大きく広がって行くことを願っています。

以上

 

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