失敗しないピンボールの作り方 【動く木のおもちゃの作り方2】

completion-of-pinball製作実例
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pinball

 

最近の子ども達は、ピンボールがどんなものなのか知らないかもしれません。

そんな子ども達が、本物のピンボールを見たりやったりしたら、その玉を押し出す重量感、玉をはね返すフリッパーの動き、バンパー(得点が増えるキノコ型のまと)に玉が当たると光ったり音が出ることに釘付けになるでしょう。

今思うと、テレビゲームの発祥のゲームの1つと言えますが、まだアナログ感覚の残っているゲーム機でした。

 

television-game

 

現代は、テレビを始め電波で繋がれたインターネット画面の中のバーチャルな環境に依存する時代です。

そんな時代の中で、子ども達には、もっと現実のリアルな遊ぶ感覚を味わってもらいたい、そんな思いから音や光は出ないものの、ピンボールを作り、それを孫の誕生プレゼントにしてみようと思い立ちました。

ただ製作の途中では、予想した玉の動きにはならずに修正を繰り返し、当初作った設計図とはかなり違うもが出来上がりました。

この記事では、私が作成したピンボールの作り方と製作途中で分かった失敗しないポイントをお伝えしていきます。

完成したピンボールは、こんな感じです。

 

 

宅配便で送ったピンボールを受け取った孫からは、お礼の電話とピンボールで遊んでいるようすが動画で送られてきました。

 

 

予想以上に喜んでいる姿をみて、ほっとしました。

では、最初に、この記事の中で出てくるピンボールの各部品の名称を下記の画像の中に表示しておきます。

 

【ピンボールの各部の名称】

the parts-name-of the-pinball

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ピンボールは、発射台やフリッパーといった仕掛けがありますが、「こうでなくてはならない」という決まりがある訳ではありません。

のこぎりや電動ドライバーがあれば作ることが出来る、木工の初心者にも手軽にチャレンジ出来る木工製作です。

木工の技量やアイデア次第で、どんどん複雑なものを作っていくことが出来ます。

私の作ったピンボールを参考にして頂き、大きさ・ピン(釘)・点数・仕掛け・色や絵を入れた仕上がり等、独自のピンボール作りに是非チャレンジしてみてください。

ピンボール全体の構想

 

私がこのピンボールを作る上で、当初思い描いた構想は下記5点です。

 

1.フリッパーや発射台のような可動部には、耐久性のあるバネを使う

 

バネとして可動部に使う最も手軽なものは輪ゴムですが、耐久性を考えてステンレス製のバネを使用しました。

 

2.発射台やフリッパーの動く仕組みは、見えないようにする

 

子どもは、動くものに興味を持ちます。

動く仕組みを子どもに見えるようにすることは、もちろんもありですが、私は見た目をスッキリしたデザインにしたかったことと、欲を言えば、動く仕組みにも興味を持って貰えたらと、敢えて見えないようにしました。

 

3.点数を集計しやすいように、点数ごとに玉が集まるコーナーを作る

 

玉が点数の穴に落ちると、そこから盤面の下に通路を作っておき、最下部に用意した点数ごとのコーナーに集まる仕組みにしたいと考えました。

上記2と同じ理由でその仕組みは、見えなくしてあります。

フリッパーが動く仕掛けは盤の裏側にあり、玉が集まる通路は底板の上にあるという2重構造です。

 

4.玉が得点の穴に落ちた時、音が鳴る仕組みを作る

 

子どもにとって、玉が点数の穴に入った時に音が鳴ったら、きっと気分が高まるはずです。

これを実現させるため、100均で売っている、「自転車のベル」や受付等で使われる「チーン」と鳴ならす「呼び出しベル」が使えないかと考えました。

 

5.発射台と底板は、メンテナンス時にネジで開閉ができるようにしておく

 

見えない仕掛けを作る部分に、もし不具合が生じた時にメンテナンスができるように、底板と発射台のカバーはネジで簡単に開閉出来るようにしました。

 

設計図を描く前に

一般的には、上記のような作る作品の全体の構想やイメージやが決まったら、次は設計図を描いて行くのが普通です。

でもこのピンボールの製作をしてみて、私のその考えは間違っていたことに気付きました。

私が実感したことは、「ピンボールの製作は、実際に玉を打ち出し、玉が思い通りに動くかどうかを確かめながら作っていく必要がある」ということです。

その理由は、実際に玉を打ってみると、玉の動きが頭の中で想像していたものと必ずしも一致しない場合が多いからです。

もし、設計図のまま加工を進め、完成間際で玉の動きに問題があると気付いた場合、修正は手間だけではなく、とても大がかりなものになってしまいます。

何とか修正が出来たとしても、修正跡が残ってしまうことが多いでしょう。

ここで皆さんにお伝えしたいことは、「下記2つの箇所だけは、詳細な情報を設計図に描かない」というポイントです。

 

1.台の頂上に設けるガイドレーンの曲線部

 

ピンボールは、玉は押し出す力に応じて盤上の色々な場所を、スムーズに動いていく必要があります。

それが上手くいかなかった私の失敗例をお見せしながら、もう少し詳しく説明していきましょう。

まず、私の当初描いた設計図と最終の設計図をご覧になってください。

 

【当初の設計図】

 

pre-the-design-drawing-plan-of-the-pinball

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【最終の設計図】

the-final-design-drawing-plan-of-the-pinball

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この2つの設計図の一番大きな違いは、発射された玉が最初に当たる頂上のガイドレーンのカーブに大きな変更を加えてある点です。

これは完成が近づき、玉の動きを発射台から打ってみて初めて気付いた点です。

その時の問題点は、玉を強く打っても弱く打っても、玉はガイドレーンの右端に当たり、盤上の右方向だけに落ちてしまうという点です。

発射台から打ち出された玉は、ガイドのレーンに沿わずにいつもカーブの同じ1箇所に当たってしまいます。

何度か玉の同じような動きを見て、原因はガイドレーンの角度が急過ぎたためだと気が付きました。

そして設計を変更したものが、下記の図です。

【打ち出した玉のレーンへの進入角度比較】

curve-of-guideline-of-pinball

私の場合、完成間際に修正したので、見た目はあまり良いものではなくなってしまいました。

事前にビー玉を転がして確認はしていましたが、実際に発射台から玉を押し出して玉見ないと判リませんでした。

やはり、この進入経路については、設計段階から注意をしておく必要があります。

私のこの失敗を防ぐには、下記2点のポイントに留意してください。

 

1,進入口の角度を小さな角度にする

2.ガイドラインの長さを充分に取る

(特に入り口は、直線から徐々にカーブを付けていく)

 

当初はガイドラインを仮止めしておき、発射台から打ち出された、実際の玉の動きに問題がないことを確かめてから接着するようにしてください。

私も修正する時には、ガイドレーンを仮止めをした状態で実際に玉を打ち出し、問題のないことを確認した上で上記【最終の設計図】の位置に木工用ボンドで接着していきました。

 

2.盤上の玉の動きを制御するピン(釘)の位置

 

設計図にピンを立てる位置を描く時は、主要な箇所だけを描き、完成近くになった時点で玉の動きをみながら決めて行くことをお勧めします。

私は設計図に全てのピン(釘)を立てる詳細を描いていました。

【ピン(釘)の設計図】

the-design-drawing-plan-for-the-nail-position-of-pinball

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この設計図通りにピンを立て、実際に発射台から玉を打ち出してみると、ピンを立てる位置を何箇所か修正する必要が出てきました。

ピンには直径3mmの細い丸棒を使ったので、盤上に丸棒と同じ径の穴を開けて立てていました。

そのため、ピンの位置を変える必要がった箇所は、穴が空いた状態になってしまいました。

その穴をエポキシボンドで埋め、乾いた後にサンドペーパーで仕上げましたが、穴の空いた状態よりは目立たないものの、修正跡はやはり残ってしまいました。

尚、ピンが外周や接近させて立てていく場合、玉の直径より少し余裕のある空間を確保出するようにしておいてください。

特にピンを立てる位置が、玉の直径に近い距離しかない場合、丸棒の太さが微妙に表示より太い場合があるため、玉がピンの間を通らなくなる場合があります。

 

6つの設計項目を決める

 

1.ピンボール台の全体の大きさを決める

 

私の場合、子どもの年齢や身長から考えて、ピンボールの大きさを横350mm 縦500mmにしました。

 

2.ピンボールを組む枠の板厚の選定

 

板厚をどのくらいのものにするかで、完成したピンボール全体の重さと強度が変わって来ます。

板厚を厚くすれば強度は高まりますが、それだけ重くなります。

板厚を薄くすると軽くなりますが、それだけ強度は低くなります。

子どもの手でピンボールを運べる程度の重さと、多少乱暴に扱っても壊れにくいだけの強度が必要です。

その観点から、ピンボールの枠組みには、板厚はが10mm前後のものをお勧めします。

ピンボール全体の外観も、スッキリしたものになります。

私の場合、台の枠組みには板厚が9mmのものにしました。

外枠に使う以外にも、打った玉が点数ごとに集まるコーナー部や細かい部品にも、板材から切り出した端材が使えます。

 

3.玉の素材と大きさを決める

ピンボールの玉の素材としては、木製とビー玉が考えられますが、入手のしやすさと重量感から私はビー玉にしました。

直径は25㎜ の大きめのものにしましたが、完成後に小さな17mmのビー玉も追加してどちらでも遊べるようにしました。

結果的には、子どもには大きい 25㎜ の方が扱いやすいようでした。

この玉の直径は、下記6点の設計時の項目に影響を与えます。

1.玉が動く盤と周囲の枠の高さ

2.点数の穴の直径

3.発射台の幅と発射台を覆う蓋までの高さ

4.発射台の玉を入れる蓋の穴の直径

5.玉が点数の穴に落ちた後、下に用意する通路の幅と高さ

6.ピンを立てるとき、外枠とピンまでの距離、並ぶピンとピンの距離

 

4.曲線部分の板材の選定

私の設計したピンボールでは、3か所に玉のガイドレーンを設けました。

その中でカーブが最もきついのは、頂上部のガイドレーンです。

私は厚さ2mm の板材を使い、何度も仮止めをしましたが、急な角度のカーブでも折れずに使用できました。

ガイドレーンには、厚さ2mmの板材を使うことをお勧めします。

板材を使わない場合には、私が通路の製作時に使ったプラダンでもいいでしょう。

 

5.発射台のレバーとフリッパーレバーの丸棒の太さを決める

 

丸棒も板厚と同様、太いほど強度が増しますが、太いほど子どもには扱いにくいものになります。

子どもとが遊ぶことを前提にするなら、直径 6mm 〜8mm程度のものが適当だと思います。

素材は、バルサ材のような柔らかい材質ではなく、強度の強い朴のような広葉樹系素材をお勧めします。

 

6.枠組みの加工方法を決める

子供達が何度か遊んでいるうちに、ピンボールの枠組みが外れてしまったら、がっかりしてしまうでしょう。

枠組みの固定は、持っている工具や木工の技量・作業時間等からどんな接着方法でも構いませんが、強度の観点から板の面同士をボンドで接着させる”芋継ぎ”だけはやめておきましょう。

私は手軽さと加工跡が残らない四隅にダボを埋め込み、ボンドで接着する方法で作りました。

ただ、この方法は手軽ですが、加工の難易度は高いものです。

初心者にお勧めな方法は、木工用ボンドを接着面に付け、浅く穴を開けた上で電動ドライバー(インパクト)でネジを沈ませ、その上からネジの頭をダボを埋め込んで隠す方法です。

このネジの頭をダボで隠す加工の詳細は、別の記事「 ダボでネジの頭を隠す加工手順」を参考にしてみてください。

もちろん、トリマーを既に持っている方なら、ホゾ加工に挑戦してみても結構です。

今回の加工には、別の記事「段欠き加工と溝加工でほぞに挑戦!|ペン立ての製作例」で紹介した肩胴付き大入れ継ぎが適しています。

【肩胴付き大入れ継ぎで加工したペン立て】

dado-joint-with-one-side shoulder

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こんな職人のような加工ができる工具のトリマーにも興味を持たれた方がいたら、加工の幅をどんどん広げられる下記の別のトリマーの記事から順を追ってトリマー関連の記事を覗いてみてください。

 

 

 

 

7.玉が動くピンボールの盤と底板の板厚の選定

 

ピンボールの盤上や底板に、大きな力が加わる可能性は少ないと思われます。

特に玉が動く盤上は最も目立つ場所ですが、玩具なので高級感よりも軽いことを優先しました。

そこで盤と底板には、厚さ3mmの合板(ベニヤ)を使うことにしました。

見た目を重視したい方は、金額は高くなりますが、同じ合板でも「シナ合板」をお勧めします。

合板を使う理由は、面積の広い箇所に薄い板材を使う場合、時間経過による板の反りが少ないという大きなメリットがあります。

底板の板材は、家具でも背面の板として使われる一般的な合板(ベニヤ)でいいと思います。

 

8.玉の動きを制御するピンの素材を決める

ピンボールを製作するにあたって、YouTube上で自作の木のピンボールを作った皆さんの実例を色々拝見しましたが、ピンに釘を使っているものを多く見かけました。

釘を使うメリットとしては、玉が当たった時に金属的な音が楽しめる点、加工が簡単な点やピンの位置の変更が容易等、多くの点が挙げられます。

「設計図を描く前に」の章で書いたピンを修正する場合があっても、釘の場合、修正跡は比較的小さくて済みます。

釘を使うデメリットは、打ちつけた板が薄いとピンの立つ強度が弱くなる点でしょう。

釘を使うなら、盤の板厚が5mm〜8mm程度必要になります。

そうなると広い盤にその板材を使うと、かなり全体の重さが増して来ます。

私は軽さを優先したかったので、ピンは木製の丸棒にすることにしました。

加工はピンを立てる箇所に丸棒と同じ径の穴3mmの穴を開け、丸棒を差し込み、念のため裏側から丸棒と穴の箇所にボンドで補強しました。

 

9.盤に使用する板材を傾け、傾ける角度を決める

盤上を走る玉の動きは、使う玉の直径・素材・傾斜角度によって、大きく違ってきます。

盤の下に端材を置き、色々な傾斜角度にしながら適節な傾斜角度を求めていきます。

私の試した結果では、6度が適切な傾斜角度だと判断しました。

設計図にしたものは、下記になります。

 

【台の傾斜角度の設計図】

the-angle-value-of-the pinball-base

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尚、製作手順は、ピンボール本体と傾斜を付ける土台を別々に作り、その後ボンドで接着させていく方法を取ることで、失敗なく加工を進めることができます。

また、後で角度の修正が必要になった場合の修正も楽になります。

 

ピンボールの設計図を描くポイント

 

一般的な設計図の描き方は、別の記事「 DIYの設計図の書き方|構想・設計図・板材の決定まで」に書いてあります。

まだ読んでいない方はそちらも参考にしてみてください。

この章では、ピンボールの製作に限って、その必要な箇所だけを絞ってお話をしていきます。

 

部品ごとに設計図を分けて描いておく

 

ピンボールは、色々な仕組みがあるため、全体の平面図や側面図だけではなく、部品ごとの設計図があると便利です。

私の場合は、下記のように全体と各部品ごとに設計図を描いていきました。

・ピンボール全体の概略

・枠組みの加工図

・玉の走る盤と得点の穴の大きさ・個数・位置

・盤の裏側のフリッパー連動板とフリッパーレバー

・発射台

・点数の穴からのコーナーまでの通路

・傾斜を付けるための土台

 等々

 

【上部にはめ込む盤全体の平面図】

design-drawing-plan-for-board-of-pinball

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【フリッパーの設計図】

the-design-drawing-plan-of-the-flipper

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【発射台の設計図】

the-launcher-of-the-design-drawing-plan

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【点数集計用通路の平面図(概略)】

the-counting-point-of-design-drawing-plan

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主な加工の手順

ここでは、主にピンボール固有の加工手順と、他の記事では触れなかった加工手順だけに絞ってお話しを進めていきます。

 

加工全般に共通するポイント

初めに他の木工作業の全般にも通じる共通のポイントがあるので、それを先にお話ししておきます。 

それは、下記の点です。

 

溝の幅、穴の直径は、入る板材の使用目的で溝の幅や穴の直径を変える

 

これは、溝や穴の寸法が、入る板材と同じ寸法で設定すると遊びがなくなるということです。

今回私のピンボールの製作例で言うと、台の枠の上側にはめ込まれる板材は、板厚3mmの合板を使用しましたが、はめ込まれる側の溝の幅は、4mmで加工しました。

この加工で板材と溝の間に1mmの遊びがあることで、合板を枠にスムーズにはめ込むことが出来ます。

発射台のレバーの製作では、レバーを貫通させる板材には、丸棒の直径プラス1mmの9mmの穴をあけました。

このことで、発射台のレバーはスムーズに引けて、玉の打ち出しもスムーズに行なえます。

一方、ダボ加工の場合はダボとダボ穴に遊びがあると強度が弱くなるため、直径6mmのダボをはめ込む時、ダボ穴の直径は6mmで穴を開けます。

ピンの加工でも、丸棒を押し込む穴は、ピンの丸棒と同じ径の穴を開けることで、ピンの立つ強度を保つことが出来ます。

ホゾ加工では、もっとシビアに1mm以下の寸法の加工を繰り返し、メスとオス部分の隙間を無くしていきます。

以上のポイントを意識しておくと、今後他の木工作業の時にきっと応用できる場面があるでしょう。

台の枠組みの作り方

私が枠組みの加工で使ったダボ加工は、少し難易度の高い加工ですが、外観から加工の跡が見えない強度の高い優れた加工方法です。

詳細を知りたい方は、下記の2つの別の記事を参考にしてみてください。

 

ダボの使い方と種類|作品の外観をレベルアップさせるダボの使い方

ダボの位置合わせを失敗させない秘訣

 

盤面と底板の2重構造の作り方

私の製作したピンボールは、盤面の下にフリッパーが動く仕掛けと、底板の上に点数の穴に落ちた玉が集まる通路がある、合板が2枚重なった2重構造になっています。

この2重構造を作る方法は、主にの2つの方法があります。

1.溝を掘って、合板をはめ込む方法

2.10mm x 10mm 程度の角材を取り付け、その上に上板を乗せる方法

 

2-way-of-the double-structures

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木工の初心者の方には、上図の (1) の角材で板を支える方法が、失敗なく加工が出来るのでお勧めです。

私は、トリマーで溝を掘り、板を挟み込む加工をしました。

【ピンボールの土台の枠組みの加工図】

 

design-drawing-plan-for-frame-work-of-pinball

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合板の板厚は3mmですが、設計図の段階では前章の「加工全般に関するポイント」でお話ししたように、溝の幅は4mmにしました。

この1mmの余裕があると、合板は溝の入口からスムーズに入って行きます。

ただ、私は4mmのサイズのビットは持っていません。

そんな時、トリマー用治具に、さらに「分割加工治具」を使えば簡単に溝の幅を広げることが出来ます。

トリマーをお持ちの方は、トリマーの使い方を拡張出来る治具について、その使い方を、別の記事「分割加工治具」で参考にしてみてください。

可動部の加工 ①フリッパーの作り方

 

1.フリッパーの本体を切り出す

 

フリッパーに適当な端材を、のこぎり(ジグソー)で切り出し、角の部分は、サンドペーパーで曲線に整形して行きます。

フリッパーの板厚は、15mm 〜 18mm 程度が適当でしょう。

 

【切り出し後のフリッパーのサンディング】

sanding-of-flipper

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フリッパーの角の部分は、削れる量の多い#80 のサンどペーパーで成形し、全体を#80 → #120 → #240の順番で仕上げて行きます。

 

【整形して仕上がったフリッパー】

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フリッパーの根元の太い箇所には、その下でフリッパーを連動させて動くフリッパー連動板に直径3mmの丸棒で固定するので、同じ径の3mmの貫通穴を開けておきます。

また、フリッパー全体に、厚さ2mm 程度のゴムを多用途ボンドで貼っておくと、玉を打ち返す瞬発力が増します。

 

【完成した盤上のフリッパー】

completion-of-flipper

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フリッパーの加工のポイント

前章の「加工全般に共通するポイント」で触れたように、フリッパーとその下のフリッパー連動板は、丸棒と同じ径の貫通穴を開けて結合していきます。

そのことで、ボンドで接着する前から丸棒には遊びがなくなり、しっかりと固定されます。

一方、盤の上に開ける貫通穴は、丸棒の径プラス1mm のサイズの貫通穴を開けます。

このことで、丸棒にとって遊びのある空間が生まれ、フリッパー連動板とフリッパーが固定されたまあ、動きはスムーズになります。

 

フリッパーが動く仕組みを作る

フリッパーレバーを押すとフリッパーがスムーズに動くようになったら、ピンボールは半分以上完成したも同然です。

それだけ、ピンボール作りの中ではここの加工が大きな山場になります。

動かす仕組みを見えなくするために、ピンボールの盤の裏側に表側のフリッーパーを動かす仕組みを作っていきます。

下記の設計図は、盤をひっくり返して作業をする平面図です。

加工の完成後には、フリッパー連想板の位置は、左右逆になるので留意してください。

 

【フリッパー連動板の設計図】

 

the-flipper-of-the-design-drawing-plan

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フリッパーが動く仕組み

フリッッパーは、盤上の左右に出ているフリッパーレバーを押し込むことで、ピンボールの盤の斜面を落ちて来る玉を押し返します。

その動きをフリッパーに伝えるのは、、フリッパーと連動して動く「フリッパー連動板」です

この「フリッパー連動板」と「フリッパー」の動きを示すと下記の図になります。

 

【フリッパーの構造】

structure-of-flipper

 

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フリッパーは、実際には盤上にあるため、点線で示してあります。

フリッパー連動板と盤上のフリッパーを、設計図上の赤く表示した丸棒で繋げて固定することで、どちらも連動して動くようになります。

フリッパーレバーが押し込まれると、それに応じてフリッパー連動板も押し込まれ、同時に盤上のフリッパーも連動して動くという仕組みです。

設計図のように、盤上の裏側にある「フリッパー連動板」を最初の位置は、真っ直ぐですが、盤上にある「フリッパー」の先端の最初の位置は、斜め下方に向いている必要があります。

双方を丸棒で繋ぎ、接着して固定する時には、動かす前の「フリッパーの位置」と「フリッパー連動板」の位置に留意してください。

 

2つのバネの役割

この仕組みがスムーズに動くために、2つのバネを使用しました。

1つは、フリッパーレバーを離した時に、フリッパーレバーが所定の位置に戻るためのバネ

もう1つは、フリッパー連動板が所定の位置に戻るためのバネです。

この2つのバネがあることで、フリッパーはスムーズに動き、手を離すと「フリッパーレバー」と「フリッパー連動板」が所定の位置にきちんと戻ります。

バネは、線径・外形・長さで様々な種類があります。

特に線径は太くなるとその分戻る力が強くなりますが、バネを伸ばす力がそれだけ必要になります。

何種類かの線径のバネを試した結果、子どもの力でちょうどいい張力としてお勧めの線径は、0.4mmのバネです。

 

私の使用したバネ

 

フリッパー連動板戻り用:(線径)0.4mm x (外径)4mm x (長さ)30mm

 

フリッパーレバー戻り用:(線径)0.4mm x (外径)4mm x (長さ)23mm

 

バネ取り付け時の注意点

 

【バネの先端部】

tip-of-sprong

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ただしその最先端部は、若干ですが隙間があり、接着されていません。

ゲームで何回もバネが伸ばされる負荷が加わると、線径が0.4mmという細い円状の最先端部に負荷が掛かり、ネジ本体から外れてしまう可能性があります。

念のためにペンチ等でネジの最先端部が離れないように調整し、ネジで先端部をしっかり止めておいてください。

ネジ止めした箇所に、多用途のボンドでバネとネジを接着しておくと万全でしょう。

フリッパーレバーの加工の2つのポイント

 

1.レバーが真っすぐに動くようにサポート部を設ける

フリッパーをスムーズに動かすためには、左右から押し込むレバーの丸棒が真っすぐにフリッパー連動板を押し込む必要があります。

そのために、丸棒の動きを真っすぐに保つためのサポート部を設ける必要があります。

私の場合は、左右のフリッパーレバーのサポート部を最下段に設けた玉が集まるコーナー部の板材に貫通穴を開けてサポート部として兼用させました。

 

2.フリッパーレバーが、縦枠に対して直角であること

 

上記1.のポイントの中の「フリッパーレバーが真っすぐに動く」ための条件の1つになります。

前章の「加工全般に共通するポイント」で触れたように、フリッパーレバーを通す貫通穴は、ピンボールの縦枠とサポート部に丸棒の2ヶ所がスムーズに動くように遊びを1mm取って開けます。

ただ、その遊びの1mmがあることで、丸棒の向きが動き、斜めに固定されてしまう可能性があります。

その原因は2つのことが考えられます。

1.貫通された穴が、板面に対して直角でない場合

2.サポート部の固定された位置が、レバーの入口の手前の横枠枠板からの距離と違う場合

 

1.の原因をなくすために、貫通穴を開ける場合には、ドリルスタンドかボール盤を使うことをお勧めします。

直角な穴を開ける場合、張り合わせた自作治具を作る手もありますが、ドリルスタンドやボール盤は穴の深さも調整出来るので、精度の高い穴あけをするには必須の工具です。

 

 

尚、貫通穴を開ける場合には、必ず下には端材で敷板をクランプで固定してから作業をしてください。

ここは見えなくなる場所ですが、穴の出口に出来たバリを取り除いた途端に穴の直径が狂ってしまう可能性があります。

貫通させる穴を開ける加工の注意点は、別の記事「貫通穴を開ける時の注意点」を御覧になってください。

2.の原因を取り除くためには、下記手順をした上で、最終のサポート部の固定をしてください。

1.入口になる台の縦枠とサポート部にフリッパーレバーになる丸棒を通す

2.台の縦枠と丸棒にノギスを当て、直角を確認する。

3.丸棒の入口と手前の枠組みからの距離がサポート部の固定位置と一致していることを確認する

4.丸棒のフリッパーレバーがスムーズに動くことを確認する

 

可動部の加工 ②発射台のつくり方

【発射台の設計図】

the-launcher-of-the-design-drawing-plan

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発射台の作り方のポイントは、フリッパーと同様です。

発射台もフリッパーと同様、丸棒を真っすぐに打ち出す必要があるので、必ず丸棒の入り口とサポート部の2ヶ所で丸棒の直線性がとれた作りにしてください。

発射台を動かす仕組みはフリッパーより単純です。

発射台レバーの丸棒の直線性を確保するため、ここにもサポート部を設けます。

発射台のレバーに使う丸棒とサポート部をバネで固定します。

発射レバーを引くとバネが伸び、手を離すと丸棒は前方に戻るので、レバーの先端にある玉を押し出します。

その他、貫通穴やバネの処理の注意点はフリッパーと同様です。

私は動く仕組みが見えないように蓋をして見えなくしましたが、動かす箇所なので、メンテナンスが必要な時にネジで開閉出来る作りにしました。

蓋の前方には、玉を入れる貫通穴を、玉の径よりも大き目の径でファスナービットで開けて行きました。

得点の穴の加工

設計図を描いた段階で、得点の穴の数・大きさ、位置は既に決まっているのはずなので、設計図の位置に盤上に貫通穴を開けていきます。

この加工には、綺麗に円を切り抜く加工が出来る、ファスナービットをお勧めします。

電動ドライバー(インパクト)にビットとして取り付けられるので、手軽に失敗なく加工が出来ます。

 

【ファスナービット】

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このファスナービットで貫通穴を開けてきますが、必ず下には端材で敷板を敷いた上でクランプで固定し、貫通する穴の終点で発生するバリの発生を防いでください。

【得点の貫通穴の加工】

how-to-making-transfix-hole

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玉が点数の穴に落ちた時に音が出る仕組み作り

この仕組みつくりには、色々な試行錯誤を繰り返し、最も多くの時間を費やしました。

部品を作り、ベルを鳴らす方法を色々試してみましたがどうしても綺麗な音でベルは鳴らず、最終的にベルの使用は諦めました。

結果的には、画像のように点数の穴の下に、板をスポンジ(窓用隙間テープ)の上に両面テープで固定し、ビー玉が落ちた瞬間に音が鳴るようにしました。

【木で音を鳴らす仕組み】

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板と底板の中間に空間があることで、玉が上から落ちて来ると音が響きます。

木の材質・厚さ・長さによって、音の高低が変化します。

チャイムより音は小さくなりましたが、同じ音程に統一したり、全て違う音程にしたり、色々と響く音の違いを設定する自由度は広がりました。

この木片を点数の穴の下に置き、底板の上に両面テープで接着していきました。

 

【ビー玉が落ちて音が出る仕掛け】

gimmick-of-sound-wood

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点数を集計するコーナーへの通路の作り方

ピンボールのこの仕組みは、YouTube上にアップされた皆さんのアイデアを拝見し、そこから拝借させてもらいました。

 

1.素材は扱いやすいプラダンを使う

 

私の描いた設計だと、通路はかなり急なカーブになるため、強度も加味して板材ではなくプラダンで作成していくことにしました。

 

 

2.通路のプラダンの接着強度を増す

 

通路の高さの寸法を、すぐ上に来る盤との間に出来る空間に留意し。プラダンを切断し、通路として設計図を参考にしながら適当な長さに切って行きます。

ここで問題だったのは、通路の底面の接着強度がここままだと弱いという点です。

プラダンを底板に接着させて行く面は、プラダンの厚さである3mmしかありません。

しかも、ブラダンの接地面には空間も空いているので、そのままの状態で底板と接着させると、接着強度はとても弱いものになってしまいます。

そこで、プラダンの下部に5mm の角材を当て、角材の幅の分だけ底面を増やすことにしました。

角材のサイズを大きくすれば接着強度は増しますが、角材の幅が大きいと通路を通る玉の障害になるため、難しい面があります。

このピンボールの設計上、この5mm程度が障害にならないギリギリの線でした。

プラダンと角材の接着は、多用途で使えるボンドを塗った上をタッカーで固定して行きました。

【タッカーで固定】

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【タッカーで固定された状態】

status-of-fixing-by-tacker

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この状態になった通路の角材部分に多用途のボンドを塗り、底板に接着させて繋げて行きました。

 

【完成した通路】

completion-of-a-way

 

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3.すぐ上にあるフリッパー可動部と障害部してしまう箇所の修正

 

かなり複雑な経通路が底板の上に張りめぐらせる形になったため、このままだと上から被さる盤の裏側に設けたフリッパー連動板の動かす部品と通路が当たってしまいました。

ぶつかる箇所は、フリッパーの完成後、現物合わせで通路とフリッパー連動板を動かす部品が当たる箇所の通路を欠き取り、収まるように調整して行きました。

この修正箇所は、設計図に描くとかなり煩雑な作業になります。

こんな場合は、設計図は描かずに最初から現物合わせで修正する方法がいいでしょう。

こんな行程も、他の家具の製作とは全く違ったものだといえます。

 

4.ピンボールが完成した状態で、玉の動きを確認する

この通路も完成後、実際に玉を転がしてみて、スムーズに下の各コーナーまで集まって行くか、確認する必要があります。

確認作業は、実際に底板と盤を仮組みし、完成に近い状態で確認する必要があります。

私も台を仮組みると、玉が思うような動きをしない箇所が見つかり、修正を繰り返しました。

スピナー(回転する風車)の作り方

スピナーはピンと同様に、玉の動きを制御します。

ピン(釘)ほど玉の動きを大きく変化させませんが、玉でスピナーがクルクル回る動きは子ども達の興味を引きます。

私は大小(直径20mmと30mmの円柱に羽を付けたもの)合わせて、3つのスピナーを作りました。

 

1.スピナーに適した板厚と個数と設置する位置を決める

 

スピナーの高さは、盤の下から枠板の高さになる程度の板厚が適当でしょう。

大きな部品ではないので、今まで作業した端材から適当なものを選び、大きさや置く位置・個数を決めて行きました。

 

2.スピナー本体の円柱を切り出す

 

木工の初心者の方が、板材を円に切り出す加工には、ジグソーをお勧めします。

ジグソーを使った円の切り出しは、慣れないうちは切断した外周は綺麗な円になりません。

コンパスで墨線を描き、墨線より少し余裕をもった外側を切断していってください。

その後、サンドペーパーで墨線まで削っていきます。

その際、このような曲面のサンディングには、使い終わったトイレットペーパーの芯にサンドペーパーを巻くと、綺麗な曲面を出すことが出来ます。

サンディングは、いつものように#80 → #120 → #240 と徐々に番手を上げて行ってください。

ジグソーについては、別の記事で基本的な使い方や、丸ノコに比べて扱いやすい、私がお勧めの「静音にも配慮したジグソー」を紹介していますので参考にしてみてください。

 

 

 

私の場合は、電動ドラバー(インパクトドライバー)に取り付ける「サークルカッター」を使用しました。

サークルカッターの一番のメリットは、失敗なくコンパスの原理で綺麗な円を切り出してくれます。

加工の開始は必ずゆっくりした回転から始め、安全に十分に留意した上で使えば、とても便利な工具です。

 

3.サークルカッターの加工前の準備

 

【貫通する刃の深さと敷板の確認と固定】

confirmation-of-hole-depth

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切り出す円の直径のサイズを、サークルカッターに付いている目盛りで合わせます。

次に側面から円の中心になる刃と、周囲の円周を削る刃のが貫通する深さを画像のように確認し、敷板となる板の厚みを確認します。

このサークルカッターは、中心となる刃と円周を切る2つの刃の出具合が違うため、それぞれ中心用と円周用の2枚の刃を受け止める敷板が必要になります。

2枚の敷板は、動かないようにクランプで固定します。

円の中心点の墨線にサークルカッターの中央の刃を押し当て、必ずゆっくりと電動ドライバー(インパクトドライバー)のトリガーを入れて刃を回転させていきます。

 

*いきなりトリガーを強く押すと、刃が高速で回転し始めるので非常に危険です。

【加工中のサークルカッター】

moving-of-the-circle-cutter

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加工途中、一般的な穴あけ作業と同様、電動ドライバー(インパクト)が加工面と垂直になることに留意しながら作業を進めてください。

中央の切り出す円形部分が、ドリルの刃の回転と一緒に回り出すと円の切り出しが完了した状態になので、そこで加工は終了です。

 

【円の切り抜きが終了した状態】

completion-of-circle-cutting

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【サークルカッターから取り出した状態】

the-spinner-after-cutting

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3.円柱に、羽をはめ込むための切り込みを入れる

 

上記ポイント2.で円柱状に切り出したスピナーに、付ける羽の数だけ10mmほどの深さの切り込みをのこぎりで入れます。

 

4.羽を切り出す

羽には、厚さ1mmのプラスチックボードを使いました。

カッターで長さの箇所に2,3回切り込みを入れて曲げると切り離せます。

【プラスティックボードの切り出し】

cutting-of-plastic-color-board

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5.本体に多用途ボンドで接着する

 

【スピナーの完成】

completion-of-pinball-spinner

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ネジ止めを何度も可能にする鬼目ナットを使う加工

私はピンボールが完成した後、メンテナンスが必要になった場合に備え、発射台の蓋と底板はいつでも外せるようにしました。

ただ、普通のネジ止めをした場合、何度かネジの開閉を繰り返していると、板材の内部に刻まれているネジ山が広がり、ネジが効かなくなってしまいます。

 

1.ネジのメス部分に、鬼目ナットを使う

 

鬼目ナットは金属製で、内側にネジ山のメス部分が刻み込まれています。

側面には、内部の木にしっかりとねじ込まれて行くように、ネジ状に突起が刻まれています。

【鬼目ナット】

incert-nuts

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鬼目ナットのガイド穴を開ける時の3つの注意

 

画像のように、鬼目ナットは使用するネジの径に応じて様々な大きさや長さものがあります。

加工方法は、所定の径の穴を開け、下記画像のように鬼目ナットの上から六角レンチで穴に締め込んで行きます。

 

【六角レンチによる鬼目ナットのねじ込み】

how-to-screw-in-the-incert-nuts

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この鬼目ナットのガイド穴を開ける時の失敗しないための注意点が3点あります。

 

1.鬼目ナットのガイド穴を、いつ開けるかを決めておく

 

この鬼目ナットのガイド穴を開ける加工は単独の加工ではなく、上から覆い被さって来る板材との間に正確な位置にネジを通す貫通穴が空いている必要があります。

このような加工の精度が要求される場合、設計図を見て加工するのではなく、現物合わせで加工をした方が失敗がありません。

今回の現物合わせの加工方法には、下記の2つの方法があります。

 

1.先に貫通穴の中心点を付けておく

2.先に鬼目ナットのガイド穴を開けておく

 

木工の初心者の方には失敗なく正確な位置に貫通穴を空けられる方法として、上記1の方法をお勧めします。

この加工手順は、鬼目ナットのガイド穴が空いてしまった後では、穴が空いてしまった箇所に貫通穴の目印は付けられなくなってしまうため、先にこの加工手順を進めて行くようにしてください。

 

1.鬼目ナットのガイド穴を開ける前に貫通穴の準備をしておく加工方法

 

1)上に覆い被せる板材を置き、下に鬼目ナットを埋め込む板材を置き、ぴったりと重なった位置で双方の板材が動かないようにマスキングテープ等で仮止めをする

2)覆い被せた板材の上に、貫通穴を開ける板材の幅と穴を開ける位置になる中心線の墨線を引く

3)中心線の墨線上に、ネジ止めする箇所を決め、目印の墨線を付ける

4)目印をした箇所の墨線上に、ネジの下穴(2mm〜4mm程度)を開けていく

5)2枚の板材に貫通する下穴が全て開いたことを確認し、マスキングテープを外す

6)下穴の開いた箇所に、それぞれに必要な径の穴を開けていく

7)貫通穴にネジを入れる側の板材の表面は、座繰りをしておく

 

2.先に鬼目ナットのガイド穴を空けた段階の加工方法

 

1)鬼目ナットのガイド穴を空けた時点で、穴に同じ径のダボ穴マーキングポンチを鬼目ナットのガイド穴の全てに入れる

2)上から被せる板材をそっと乗せ、被せる下に押し付ける

4)板材をひっくり返し、ダボ用マーキンングポンチの先端の跡が全て付いていることを確かめ、その位置に貫通穴を空けていく

5)貫通穴のネジを入れる側の面には、座繰りをしておく

こちらの加工方法は、今までにダボ用マーキングポンチを使ったことがある方に向いています。

どちらの加工手順でも、最後に座繰り加工をするのは、加工が終わってネジを締めた時、ネジの頭が上に飛び出さないようにするためです。

特に底板の部分は、ネジの頭が飛び出していると台の底面がぐらつく原因になります。

木工作業の中で、穴に座繰りをする場面は多いので、座繰りビットは必須のアイテムと言えます。

 

皿取り錐ドリル ビット

 

鬼目ナットのガイド穴の加工手順

 

1.鬼目ナットのガイド穴は、所定の径で開ける

 

鬼目ナットを埋め込むために開けるガイド穴のは、メスのネジ山の径ごとに規定の範囲が表示されています。

その規定の範囲を無視すると、鬼目ナットが入らなかったり、ゆるくて使えなくなってしまいますので留意してください。

 

3.ガイド穴の深さに、余裕を持たせる

 

鬼目ナットのガイド穴を開ける深さは、使用するネジの長さより5mm程度少し深く開けた方が、ネジを締めた時にネジが飛び出さずに済みます。

 

4.穴あけ加工の精度に留意する

 

上記の鬼目ナットをねじ込む板材は、厚さ9mmの板材の木口面に開けて行きました。

使った鬼目ナットもその幅に合わせ、径が4mmの細いネジを使いました。

ただ、鬼目ナットのガイド穴はネジの径より大きな6mmに近い径が必要になってきます。

その結果9mmの幅へ、鬼目ナットのガイド穴を開ける時、許される余地は、左右で2mm程度になり、かなりシビアな精度が求められました。

このような狭い面に鬼目ナットを加工する場合、板材の中央から少しガイド穴がずれてしまうと、側面から穴が飛び出してしまいます。

そんな場面では、下記2点の加工の精度が必要になります。

 

1.中央に引く墨線の精度が高いこと

2.ドライバー本体の傾きがなく、板材に垂直になっている

 

この1.の正確な墨線は、この場合、板厚の中央に正確な墨線が引かれていることが必要です。

このようなシビアな加工でも1mmの誤差もない正確な墨線の引き方を、別の記事「木工DIYの精度を決める墨線の引き方」で紹介しています。

 

2.については、何度もお話したことですが、電動ドライバー(インパクト)を手で持って垂直に穴を開けるには、熟練した腕が必要になります。

仮に側面からガイド穴が飛び出す心配のない広い面の穴開けでも、ガイド穴が傾いてしまうと、鬼目ナットも傾き、ネジも傾いてしまいます。

木工のプロではない私達は、垂直が求められる穴開け作業は、面倒でもドライバースタンドかボール盤を使った方が、結果的に失敗のない効率的な作業が進められます。

 

鬼目ナットに使用するネジの注意点

 

木工で使用するネジと言えば、一般的には先端が尖ったタッピングネジと呼ばれているものです。

ただ、鬼目ナットで使用するネジは、ネジの先端が周囲の木の繊維を掘り進む必要はないので、先端が尖っていない平らな形状のネジを使用して下さい。

また、ネジの頭の形状は、ネジを使う場所に応じたものを使用してください。

例えば底板のような平面であることが求められる箇所には、ネジの頭が平らな「平ネジ」を使うといった選択です。

塗装方法

塗装前の下地処理と塗装のやり方は、一般的な木工作業と同様です。

特にピンボールは小さな部品が多いので、各部品の切り出し終った時点で下地処理をした方が、接着が終わってからより細かい箇所のサンディングが可能です。

塗装は、子ども達が好きな色や絵等を中心に考えてあげればいいと思います。

下地処理と塗装全般については、別の記事で、塗装前の下地処理と代表的な木工の塗装方法を紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。

 

 

 

点数の表示方法

 

ピンボールの盤上に、玉が入ると得点になる点数の表示方法は色々ありますが、代表的なものは下記4つの方法があります。

 

1.転写

プリンターでシートを打ち出し、アイロンで木に転写するもの

長所:特別な工具が不要

短所・転写する箇所を切り抜く手間が掛かる

  ・転写した色の濃度が一定にならない

2.ウッドバーニング

専用の高熱のペンで、焼けた跡を残す

長所:手書きと焦げた茶色の風合いが出る

短所:専用の道具が別途必要

3.ステンシル

切り抜いたシートにスプレー等で色を付けるもの

長所:・既存で大きさやデザイン・色があり、失敗なく手軽にできる

   ・多くの既存の切り抜いた型がある

短所:・文字や絵が切り抜いていないものは、カットをする手間が掛かる

   ・最初から切り抜いてあるものは、その字や絵の大きさが決まってしまう

4.ラベルシートに印字して貼る

既存のプリンター用シートに印刷して貼付するもの

長所:・好きな大きさやデザインしたものをプリンターで印刷して貼付するので手を汚さずに完結できる

短所:・打ち出したシートの接着力が、木に着色したものに比べて弱い

 

私は、上記4.の市販のラベルシートに印刷する方法にしました。

デメリットであるシートが剥がれて来た時は、多用途のボンドで修復は可能だと判断しました。

【作成した点数ラベル】

the-point-label-of-the-pinball

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使ったのはエレコムのラベルシート「高光沢 透明耐水タイプ」です。

グラフィックソフトで点数を描き、A4のこのシートに印刷して貼付するだけです。

ただ、透明シールなので、そのまま貼ると数字の下の盤の色が透けてしまいまい、数字が目立たなくなってしまいました。

私は、手持ちの別のラベルシートの白い部分を、点数と同じ大きさの円に切り抜き、その上に点数のシールを貼って修正しました。

 

 

実際にゲームをして玉の動きを最終確認する

この記事では、ピンボールの製作にあたっては、設計図に忠実に作ることより、実際の玉の動きを確認しながら作っていくことの大切さを伝えしてきました。

ピンボールが完成し、実際に玉を発射台から発射させてゲームを楽しめるか、試してみてください。

恐らく、私の記事を参考にしながら作った方は、ピンボールの楽しさに、しばらく夢中になって遊んでしまうのではないでしょうか?

私の記事が、そんな記事になっていれば幸いです。

まとめ

私がこのピンボールを作り始めた当初は、「それほど難しい部分はないだろう」と思っていました。

でも、完成が近づき、玉の動きが思ったものとは違うことに気付き、「ピンボール作りは手ごわいぞ!」と思いました。

また、簡単に穴に入ると面白くなくなるでしょうし、中々入らなくてもつまらなくなってしまうでしょうから、その難易度を調整する必要もありました。

完成後、もしかしたら子ども達から新たな要望が出て来たり、自分の新しいアイデアが浮かんで来たり、難易度の高いものや玉の動きを複雑にする別のアイデアが浮かんで来るかもしれません。

もし2台目の構想が浮かんで来たら、2台目のピンボール作りは、さらに作る楽しさが増すはずです。

そんな作る楽しさを感じながら、ピンボール作りに挑戦してみてください。

以上

 

 

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