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額縁の裏の金具加工とスタンドの製作(額縁シリーズ3)

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木工の基礎
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隙間のない正確な45度の切断と接着が完了し、さらに必要に応じて四隅にチギリ加工や周囲の面取りも終わった次は、いよいよ額縁の裏側が出来れば額縁の完成です。

まだ、この行程前の記事を読んでいない方は、そちらの記事も通して額縁製作全体の過程を参考にして頂けたらと思います。

 

 

 

この記事では、額縁の主要な45度の切断、接着、縁どり加工、塗装が終わった後の段階として、額縁の主に裏側の金具の取り付けと、小さな額縁用のスタンドの作成方法をお話しして行きます。

この額縁シリーズの1〜3を通して読んで頂くことで、額縁を完成させることが出来ます。

額の裏側の加工

 

アクリル板の切断手順

 

額の裏側の一番先頭に来る素材は、入手方法や加工の容易性からガラスよりもアクリル板をお勧めします。

アクリル板は破損した際にも飛び散ることがないので、安全面でも優れています。

厚みは、A4サイズを入れる額で2mmのもの、それより大きいものは3mm程度が扱いやすいでしょう。

 

アクリル板の切断手順

1.アクリル板に付いている保護シートに、切断する寸法に墨線を引く

2. 金属製のスケールを当て、一度ではなく、何度もスケールに沿わせてカッターを動かして行く

3. 切断を急がず、力を入れずに何度もカッターを沿わせて切断して行くことがコツ

4. 切断後は、サンドペーパーの#400 → #800切断面を整える

 

裏板とその他の部品の取り付け

 

アクリル板以外の額の裏側に必要な部材は、下記になります。

 

1.カッティングシート

 

市販の額縁の多くには、額に入れる素材の周囲と外側の額縁の隙間を無くすため、白いカッティングシートが付属しています。

市販のものは、機械で綺麗にカッティングされており、立体的に見せるため、角が45度にカットされています。

ただ、このカッティングシートのカットは私達にはとても難易度の高い加工です。

カッティングシート作成のための専用のカッターも販売されていますが、扱いやすいものは高価なため使用頻度を考えると買うほどのことはないと思います。

私は、写真や絵の後ろに和紙やその他の色画用紙を使ったりすることで額と中に入れる素材の隙間を無くしています。

もちろん、気合を入れて額縁を完成させたい方はカッティングシートを専用カッターを使って作成してみて下さい。

 

厚さ2mm程度の裏板(合板・MDF材・プラダン)

 

裏板の素材は、厚み2mm〜3mmの合板、MDF等が一般的です。

私は、合板よりも軽く、切断が容易なプラダンを使用しています。

下記のトンボで止める際にも弾力があるので、トリマーで欠き取った深さの誤差の微調整が可能です。

 

トンボ

 

可動式で裏板が外れないように、ネジで止める金具です。

色々な素材や形状のものがあります。

トンボを付ける位置は、額縁の縦横の長さに応じて決めて行きます。

また、固定するネジの締め付けは、トンボが動かせる程度に強過ぎず、弱過ぎずの強さにしておきます。

どんぼの取り付けは、額の塗装が完了した後の作業になります。

吊り金具

紐を通し、額を吊るすための金具です。

これも色々な形状のものがあります。

市販のものは、横向きでも縦向きでも対応出来るように、4ヶ所に付いていますが、当面、飾りたい素材の向きに付けておけばいいと思います。

吊り金具も額の塗装が完了してから固定して行きます。

 

紐の素材は何でも良いと思いますが、見えない部分ですが、額を外した際に、見た目と切れない安全性から、専用のものをお勧めします。

また、額の紐は吊るしてから見えてしまうとだらしなく感じるので、吊るしても見えないように短めにしておきます。

【額の裏側に使用する各部品】

parts-of-frame

<クリックで拡大>

 

【部品を取り付けた状態】

backside-of-frame

<クリックで拡大>

 

小さな額縁のスタンド例

 

小さな額縁は壁に掛けてもいいのですが、スタンドでちょっとしたスペースの上に置きたい事もあるかと思います。

スタンドの種類はいくつかありますが、下記画像のように、2つのスタンド用の脚にそれぞれ凹部を堀り、そこに額を立て掛けるものを作成してみました

 

【小型の額用スタンド】

stand-for-small-frame

<クリックで拡大>

 

【完成品】

 

<クリックで拡大>

額縁の幅よりも少し大きめにトリマーで凹部を欠き取ることで、額縁がやや斜めに傾いて立て掛けるものです。

切り欠く深さは、木片の厚みの1/2程度を目安にすればいいでしょう。

 

1.墨線の引き方

 

スタンドにする木片の中央に墨線を引き、凹部全体の幅を額縁の入る幅より合計で10mmほど広げた幅を目安に墨線を引きます。

切り欠く加工が全て終わった時点で額の傾きを見て、必要であれば幅を調整して広げていくやる方が、傾き過ぎてしまう失敗を防ぐ方法です。

 

2.使用するビットの選び方

 

欠き取る幅は、トリマーの一般的な大き面のビットの直径である10mm、12mmを超えてしまうため、取りあえず手持ちのトリマービットの最大幅のものを使用します。

 

3.欠き取り加工時のポイント

 

1)トリマーガイドの下に当て木を置く

スタンドの幅は短いため、トリマーガイドが傾かないように、加工するスタンドと同じ板厚の当て木を敷いてトリマーの姿勢を安定させて下さい。

 

2)墨線の両方の端から中心に向けて加工して行く

最初は墨線の一方の端から欠き取りを進めて行きます。

その後、反対側の端を加工する際には、一度材を逆向きにしてトリマーガイドを乗せ変えて加工を進めてください。

ビットの径が小さい場合は、両端を欠きとっても中央に欠き取る箇所が残ってしまいます。

その場合は、トリマーガイドを墨線からずらし、加工が届かなかった箇所を欠き取って行きます。

この中央の加工されていない箇所の切り欠き加工は、通常の加工とは違うため、トリマーガイドにあるガイドフェンスからトリマーを右に移動させても構いません。

通常の加工は、直線性を確保するためにガイドフェンスに沿わせますが、この加工は、直線性よるもトリマーの加工位置が並行のまま中央付近の材を欠き取れれば、いい訳です。

留意点は、ガイドフェンスから離すと、トリマーの動きをコントロールしにくくなるので、トリマーをしっかりと持って動かして下さい。

 

3)分割加工治具を使用する

スタンドに使用する材が一般的なパイン材の場合、板厚18mmの半分の深さである9mmは、一度にトリマーで加工するとビットに負担をかけてしまいます。

必ずトリマーガイドの上に「分割加工治具」を敷き、一度に加工するトリマーの負荷を3mm程度にして行ってください。

必要に応じて分割加工治具を複数枚敷いても構いません。

 

4)クライムカット(逆切り)をしてから、通常の加工をする

凹部分は、木片の繊維とは直角にトリマーで切り欠いて行くため、欠け防止のために、必ずクライムカット(逆切り)をしてください。

 

<* トリマーのビットに負荷を掛けない分割加工治具については、下記の記事に詳細を解説しています。>

 

自作トリマーガイドの使い方 |もっと使いやすく、もっと効率的に

 

<* 欠けを防止するクライムカットについては、下記の記事に詳細を解説しています。>

トリマーで加工する溝加工の2種類

まだ、読んでいない方はこの記事と併せて参考にして下さい。

 

【1回目の加工のクライムカットした状態)

prime cut

<クリックで拡大>

その後、1回目の加工をします。

以降、クライムカットをしながら分割加工治具が不要になるまで、加工を続けて行きます。

 

4.加工後の仕上げ

 

【切り欠き加工の終了時】


<クリックで拡大>

 

加工が木の繊維方向に直角なたため、加工終了後の状態は、どうしても表面の繊維がめくれ上がってバリが発生しています。

#80 → #120のサンドペーパーを木片に巻いたもので、バリを取り除いて行きます。

 

【サンドペーパーの仕上げが終わった状態】

completion-of-finishing

<クリックで拡大>

 

【スタンド部分の完成】

 

<クリックで拡大>

その後、ボーズ面で軽く表面の面取りをし、額縁と同じオイルステイン塗装を施しました。

尚、完成した額縁を壁に紐で吊るす場合、特に大き目のものを一般的な壁材である石膏ボードに吊るすと外れやすく、危険です。

石膏ボード専用のフックを使用することをお勧めします。

まとめ

 

今回で額縁がようやく完成しました。

額縁の製作は費用はそれほど掛かりませんが、かなり手間が掛かる作業だと思います。

「こんなに手間がかかるのなら、100均で買った方が手っ取り早い!」

そう、思われるかもしれません。

でも、そもそもDIYは手間と時間の掛かるものです。

既製品は、確かに見た目は綺麗ですが、自分でDIYで作ったものは出来ばえは別にして、手作り独特の温かみのある風合いがあります。

どんなものを作ってもそんな温もりを感じる作品は、世界に1つしかないかけがえのないものだと思います。

以上

 

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