日常良く使う小物を入れるおしゃれな小箱があったら、生活が豊かになると思いませんか?
しかもそれを自分の手で作れたら・・
この記事では、そんな小箱を釘を使わずに、ボンドだけで作る手順をお話しします。
今回はトリマーの溝堀り加工の応用で、90度に溝を加工するV字型のビットを使って溝を掘ります。
【V字型ビット】
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長めの板材の5ヶ所に、トリマーにV字型ビット(90度)を取り付け、溝を掘り込み、折りたたむと箱になります。
この加工の特徴は、V字型ビットの加工で、板材を切断してしまわない点です。
尚、トリマーのV字型ビットは、使う頻度から考えても単体で用意すると割高になってしまうので、色々なビットがセットになったものを購入することをお勧めします。
イメージは下記の図をご覧ください。
【V字型ビットによる箱】
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別の記事「自作の45度切断治具を使って隙間のない額縁を作る秘訣」は、直角の精度を保持するガイドフェンスに切断する板材を沿わせることで、隣り合う板材を切断し、接合すると90度にするものでした。
今回の加工は、直角の精度が保証されているトリマーのビットで溝を掘ることで、隣り合う切断面に45度の溝を掘り、折りたたむことで箱の角が全て90度になる箱に仕上げて行く仕組みです。
完成した小箱は、まるで何十年も修行をした熟練した指物師(さしものし)の職人が作ったような小箱として出来上がります。
少し難易度の高い加工もありますが、理屈さえ分かれば、きっと出来るはずです。
今回使用するのは、ホームセンターで安価に購入出来る桐の集成材を使用します。
1回で加工が成功すれば、材料費は千円もしないで済みます。
今回の加工は、ビットの突き出し量が板材を切断してしまう一歩手前の位置になるよう、何度かテストカットが必要になります。
少し多めに板材を購入し、練習しながら挑戦してみて下さい。
小箱の設計図と加工図
【設計図】
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【加工図】
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*側面の板はテストカットをするため、設計図よりも長めのものを準備する
*蓋は、側面が完成してから接着し、現物合わせで切り離す
使用する部材と工具
使用する部材
・錐の集成材:
6mm x 50mm x 500mm x 1枚・・・箱の側面部
6mm x 100mm x 150mm x 1枚・・箱の蓋部分
・合板:
3mm x 142mm x 92mm x 1枚・・・底板部分
・桧材:
3mm x 30mm x 138mm x 2枚・・・内側板
3mm x 30mm x 88mm x 2枚・・・・内側板
使用する工具
・トリマー
・V字型ビット・・・小箱の角の45度の加工で使用
・3mmストレートビット・・・底板の溝の加工で使用
・3mmストレートガイド用のトリマーガイド
・のこぎり(あさりなし)・・・箱と本体の切断と内側板の45度の切断
・のこぎり用ソーガイド・・内側板を45度に切断
・木工用ボンド
・中小のクランプとベルトクランプ
小箱の作成手順
小箱の加工の特徴
V字型ビットの高さで加工出来る板厚が決まる
私の持ってV字型ビットの三角部分の高さは、6mmです。
そこから垂直に刃が数ミリ出ていますが、今回の小箱の作成では、ビットの三角部分だけを使用します。
これは、箱の角を直角するためには、三角の上の垂直部分まで深く切り込むと、箱の角が直角にならなくなってしまうからです。
逆に言うと、板厚が6mmを超えた箱の作成は出来ません。
側面の板材は、大き目のサイズを使う
通常の木工作業は、最初に設計図の横幅のサイズに板材を切断してから、加工に入って行きます。
今回の小箱の製作は、側面の端と端を最後に接着させますが、その切断面は45度になっています。
そのため少し大き目の材を使って、V字型の溝を掘り、側面の両端は、最後に切断します。
側面の加工手順
小箱を作る頻度が高い方は、使用するV字型ビット専用のトリマーガイドを作成してもいいでしょう。
今回は、専用のトリマーガイドは作成しないで、適当な端材をトリマーガイドにしています。
テストカットの前の準備
1.作品の板幅より少し長めの板材で、木端面が直線が確保された板材を今回の加工のトリマーガイドして選ぶ
2.テストカットする板材の上に置いたトリマーのベースプレートの右側に墨線を引く
3.トリマーガイドをクランプで固定する
墨線を引く意味は、
本番の加工では、この距離で引かれた墨線に合わせてトリマーガイドの板を固定することで意図した位置にV字の溝加工が正確に出来るようになります。
【トリマーガイドの墨線】
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V字型ビットの突き出し量の決め方
テストカットをしながら、ビットの突き出し量が、厚さ6mmの側面の板の切り離す寸前のギリギリの突き出し量を見つけます。
ガイドにする端材は、側面の板の幅ぴったりより、少し長めの方がトリマーの姿勢を安定させることが出来ます。
ビットの突き出し量は、板材を切り離さないようにノギスで6mm弱にしておきます。
【最初のビットの突き出し量はノギスで測る】
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2.分割加工治具を置く
目標になる加工の深さは6mm弱ですが、トリマーで一度に加工するには負荷が大きい深さのため、何回かに分けて少しづつ溝の深さを進めて行くため「分割加工治具」使います。
トリマーの負荷をなくす分割加工治具については、別の記事「自作トリマーガイドの使い方 |もっと使いやすく、もっと効率的に」に詳細に解説しています。
まだ、記事を読んでいない方は、上記のリンクからそちらの記事を参照してみて下さい。
ビットの突き出し量は、板材を切断してしまわないように、6mm弱にしておきます。
その上で、1回目の加工はトリマーに負荷がかからない3mm前後の分割加工治具を敷いて下さい。
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1回目のテストカットの開始
この加工の出口は、板の繊維(木目)に対して垂直の加工をするため、このまま加工すると出口付近で「欠け」が発生します。
そこでまず、出口付近に逆向きの欠け防止のためのクライムカットをします。
クライムカットについての詳細は、別の記事「トリマーで加工する溝加工の2種類」で解説しています。
このクライムカットをするかしないかで、作品の出来栄が大きく変わります。
とても重要な手順ですので、忘れずにクライムカットをするようにして下さい。
【クライムカットをした状態】
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その後、通常通り手前から前方にトリマーを動かし、1回目のテストカットを行ないます。
2回目のテストカット
2回目の加工は、分割加工治具を外して行います。
トリマーの付き出し量は6mm弱にしてあるので、板材を切断してしまうことはないはずです。
1回目の加工と同様に、まず、出口付近にクライムカットをします。
【2回目のクライムカットが終わった状態】
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その後、通常通りに手前から2回目のテストカットを行ないます。
溝の深さを確認する
トリマーガイドを外し、横から溝の深さを確認し、同時に板材の裏側からも確認してみて下さい。
恐らく1回目の加工では、僅かに底の部分が残っていると思います。
ビットの突き出し量をノギスは使わずに、ほんのわずかだけ出して下さい。
感覚で結構です。
そして、トリマーガイドの墨線にガイドを固定し、2回目のテストカットをします。
2回目のテストカットは、ほんのわずかに溝を深くするだけなので、分割加工治具は不要です。
テストカットの完了基準
【横から見た状態】
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【3回のテストカットを裏側から溝を見た状態】
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この裏側から見た画像は、分かりやすいように別々の箇所に3回のテストカットをして、徐々にビットの突き出し量を増やしたものです。
一番左側の溝は、うっすらと溝が透けて見えています。
このように溝の裏側から見て、うっすらと溝が透けて見える状態になったら、テストカットは完了です。
墨線を引く
まず、側面の箱の角になる位置に墨線を引きます。
ただ、トリマーに付いているV字型ビット専用の治具を用意していない場合、その墨線は、トリマーガイドを固定する位置ではありません。
先ほどテストカットをした時のトリマーガイドの右側からV字に掘られた頂点までの距離(トリマーガイドの固定値)にも同様に墨線を引きます。
私のV字型ビットの場合は、45mmでした。
先ほど引いた箱の角の位置から45mmの位置にトリマーガイド用の墨線を引いて行きます。
ただ、最初に引いたV字の溝の墨線とトリマーガイドの位置が混乱しないように、トリマーガイド用の墨線には、何らかの目印を付けておいて下さい。
私の場合は、墨線の中央に○印を付けておきました。
【箱の角の墨線とトリマーガイドの墨線】
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本加工の開始
側面に引かれたトリマーガイドの墨線の位置に、端材のトリマーガイドをクランプで固定し、加工を開始します。
留意点は下記2点です。
1.分割加工治具を使い、2回に分けて溝を掘る
2.加工は、必ずクライムカットをしてから行なう
*側面の端の部分は、クランプで固定する幅がなくなるため、その際は板材を逆に向けて溝を掘って下さい。
両端を切断する
トリマーによる本加工が完了すると、側面の板材に合計で5ヶ所の90度の角度のV字型の溝が掘られています。
【3ヶ所のV字型溝加工の完了】
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ただ、この側面の板材の両端は、設計図にあるように45度にするため、のこぎりで切断します。
トリマーの突き出し量は切断する一歩手前まで出しているので、のこぎりを数回引くと、すぐに両端は切断されます。
トリマーの加工跡は、木目に対して直角に溝を掘るためどうしてもバリが発生しますが、紙やすりで綺麗に修正できます。
底板の溝を掘る
トリマーのビットを3mmのストレートビットに交換します。
トリマービットの交換方法については、お手持ちのトリマーの説明書か、別の記事「木工トリマーの使い方【超初心者向け:初めて触るトリマー】」を参照して下さい。
また、底板の加工には、3mm用のトリマーガイドが必要になります。
トリマーのビットに応じたトリマーガイドの作成方法は、別の記事「トリマーガイドの自作」を参照下さい。
底板の溝の墨線の引き方
底板の墨線は、箱の底から5mmの位置に1本の墨線を引きます。
この墨線の左側に3mmのストレートガイド用トリマーガイドを
置くことで、墨線の右側に幅3mmの溝が掘られます。
これで小箱の底からは、2mm上に3mmの幅が掘られることになります。
底板の溝加工
さて、この底板の加工には、欠け防止のためのクライムカットは必要でしょうか?
答えは、不要です。
底板の溝は、木の繊維方向への加工なので、欠けが発生してもわずかです。
万が一小さな欠けが発生しても、内側の溝の中に底板と一緒に押し込まれてしまうので、出来栄えにはほとんど影響しません。
底板の墨線に合わせてトリマーガイドを合わせて行きます。
今回の加工の場合、全長が500mmのため、かなり長い距離をトリマーが動きます。
理想的には、トリマーガイドも500mm以上の長さがあれば問題ありませんが、既に3mm用のトリマーガイドを作ってしまった方で、長さが足りない場合もあるかと思います。
その場合には、可能な長さまでトリマー加工をして、トリマーガイドを一度外し、再度加工していない箇所に動かすことでも構いません。
その際の留意点は、下記2点です。
途中で構わないので、トリマーは動かさずに、そこに停止させたままトリガーのスイッチを切って下さい。
トリマーが回転したままでトリマーを上に動かすと、非常に危険です。
トリマーの回転が完全に止まってから、トリマーを動かし、クランプを外し、トリマーガイドを加工の終わっていない箇所まで移動させて下さい。
まだ加工していない箇所の墨線に合わせ、加工が終わった箇所の溝にぴったりと合わせてガイドを固定して下さい。
念のために、トリマーを停止させた状態で、加工が終わった溝にトリマーがスムーズに着地するか、ガイドの位置を確認して下さい。
トリマーガイドをクランプで固定したら、トリマーのビットを加工が済んでいる最後の場所にビットが入るのを確認します。
トリマーの前方を上に上げた状態でトリガーを入れ、チルトインでゆっくりとトリマーを板材に下ろして行って下さい。
トリマーの姿勢が安定したら、ゆっくりとトリマーを前進させ、板材の端まで加工して行きます。
側面の板と底板のヤスリ掛け
この後は、底板をはめ込んだ状態で、ボンドで接着をして行きます。
底板の付いた様態の箱の形になってしまうと、特に内側部部のヤスリ掛けは面倒になります。
まだ、組み上げていないこの状態で、側面の板の内側と底板にはヤスリ掛けをしておきます。
ハンドサンダーか、端材にサンドペーパーを巻付けてヤスリ掛けをして行きます。
ヤスリの番手は、#80 → #120 → #240 の順番です。
小箱の組み立てと接着
側面の板に掘られたV字型の部分に木工用ボンドを塗っていきます。
そばに濡れたウエスを絞ったものを用意し、はみ出したボンドはすぐに拭いておきます。
底板を倒し、箱の形にしながら、底板をはめ込んで行きます。
底板の溝には、ボンドは不要です。
四角に組み上がった状態で、内側と外側にはみ出すボンドをウエスで拭き取ります。
額縁の接着で使用するベルトクランプで四隅を当てながら、特に端の45度で接合する部分がずれていないか、確認しながらベルトを締めて行きます。
特に両端の箇所は、切り離されたまま1周しているためずれてしまう可能性が高い箇所です。
ベルトクランプを締め付ける前にずれていないか、確認してください。
【ベルトクランプで小箱全体の接着度を増していく】
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この状態で2,3時間ボンドが完全に乾くのを待ちます。
ボンドが乾いたら、ベルトクランプを外し、接着状態を確認します。
特に四隅には、角を折りたたんだことでバリが出ています。
再度サンドペーパーで #120 → # 240で外側部分を仕上げて行きます。
小箱の蓋の接着
箱部分を逆さまにして、現物合わせで蓋の大きさの墨線を引いて行きます。
蓋の大きさは、設計図通りに罫線を引くと、ずれてしまうことがあります。
これは、理論上のサイズと、色々な加工をした現物のサイズの間には、どうしてもずれが出て来てしまうからです。
組み上がった側面部分に、現物合わせで蓋のサイズの墨線を引いて行きます。
蓋の大きさに切断できたら、ボンドで接着していきます。
この場合も、必ずクランプでしっかり隙間が出来ないよう固定して下さい。
尚、桐材は非常に柔らかく傷がつきやすいので、クランプの当たる箇所には必ず当て木をして下さい。
【蓋(ふた)の接着】
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蓋の上部の面取り加工
箱と蓋の接着部分した部分を簡単にしかも綺麗に一体化してしまう方法として、トリマーで面取り加工をすることをお勧めします。
今回は、シンプルな面取りができるボーズ面ビットを使用しました。
ボーズ面ビットは、面取りする時には最も使用する頻度が高いビットです。
多くのビットが入っているセットの中のボーズ面は、ほとんど曲面が小さなもので、曲面が目立ちません。
綺麗な曲面を出すために、少し割高になりますが、別途ビットの幅が30㎜以上のものを1本用意しておくことをお勧めします。
【ビットの突き出し量の目安】
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突き出し量を端材でテストカットして、決めて行きます。
【ボーズ面のテストカット】
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トリマーで面取り加工する際、クランプは不要です。
片手で支えながら、トリマーのベースプレートを片手で上から支え、トリマーの姿勢が傾かないようにします。
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桐の集成材は柔らかく、ビットを動かす速度が遅いと焦げやすいので、トリマーはいつもより早めに動かした方が、綺麗に仕上がります。
特に四隅の角のは、前進だけだと削り残しが出ます。
一度前進させて回り込んだら、逆向きに戻して削り残しがないようにして下さい。
面取りの加工は、何度同じ箇所を動かしてながら、削り残しを無くして行ってください。
蓋(ふた)の切断用墨線
蓋の高さは、設計図通りの寸法に切断しなくても結構です。
基準は、切断後に内側板をはめ込むので、その先端が箱の側面から出る必要があります。
内側の板は一番下の底面から5mm上の位置から幅30mmの板が立ち上がって来るので、底辺から35mm、蓋の上部からは21mmの位置が、適当かと思います。
画像の「一発止型定規」を使い一度に2面の墨線を書いて行くと、罫線を別の面に回す位置がずれません。
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蓋(ふた)の切断
切断に使う工具は、あさりのないのこぎりを使います。
これは、切断面を出来るだけ綺麗にすることと、通常のこぎりより、切断の幅を薄く出来るからです。
【ゼットソー8寸面の切断幅】
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【あさりのないのこぎりの幅】
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箱の角から切断を開始し、箱を回しながら1周する要領です.
【切断の開始】
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切断のポイントは下記の3点です。
【のこぎりを寝かせて切断のガイドラインを引いて行く】
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のこぎりで予めガイドラインを浅く引いた線に沿ってのこぎりの先端部分で少しづつ後方に引きながら切断して小箱全体を一周します。
切断が完了したら、切断による段差やバリを状態に応じてサンドペーパーで修正して行きます。
#80 → #120 → #240
多少の切断の段差等の修正は、木工用エポキシパテで修正可能です。
パテを修正箇所に対して、少し多めに盛り上がる程度に塗り、完全に硬化するまで乾かしてからサンドペーパーで段差の差が均一になるまで慣らしていってください。
【エポキシパテ(色:タモ白)】
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【切断の完了】
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内側板の切断と接着
箱の内側に45度に切断した板をはめ込み、接着していきます。
外側の箱の高さより板が若干出ることで、蓋を閉じた時に、ぴったりと固定する役目をします。
設計図や加工図では、計算上の寸法が書かれていますが、実際の箱を組み立てると、どうしても若干の誤差が発生します。
切断寸法は、あくまでも現物合わせで板材を切断して行きます。
厚さ3mmで幅が30mmの板材なので、45度の切断にはソーガイドを使います。
使用するのこぎりは、あさりがあってもなくても、どちらでも構いません。
墨線にギリギリで切断するより、若干大きめに切断し、後でサンドペーパーで現物の寸法に合わせながら修正する方がいいでしょう。
切断する向きが逆にならないように、板材を交互に裏返しさせながら、墨線を引き、切断して行きます。
【内側板の45度の切断】
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【切断の完了】
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切断時のバリをサンドペーパーで整え、仮止めをしてみます。
サイズがきつい場合には、サンドペーパーで修正して下さい。
ほんの少しの修正で大丈夫です。
4辺が収まるのを確認し、木工用ボンドを貼付して接着して行きます。
接着は、必ずクランプで固定して下さい。
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蓋と箱全体をサンドペーパーで仕上げる
蓋と箱部分の全体を、今までの加工でへこみや傷になった箇所をメインにサンドペーパーで仕上げをして行きます。
順番は、いつも通りですが、特に#80は、傷のある箇所に部分的に使用して下さい。
#80 → #120 → #240 → #400
#400 は、通常の木工では使用しませんが、今回使用した桐の集成材は、とても柔らかくデリケートな素材なので、#400で最終の仕上げをしました。
塗装
今回は、素材が桐なので、桐の特徴である白さを保ちながら、自然な艶を出した方がいいと思いました。
使用した塗料は、ワトコオイルのナチュラルです。
ウエスに染みこませ、箱の内部や底板の裏側まで広げて行きます。
【ワトコオイルの貼付】
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4時間以上放置し、2回目を貼付し、完成としました。
【塗装が完成した状態】
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まとめ
今回のトリマーのV字ビットで行なう加工は、のこぎりとソーガイドを45度に傾けて使っても出来ます。
ただ、その場合には、4辺を全て切断することになります。
トリマーの加工が終わり、切り離されそうで切り離されない状態を組み上げて行く時には、不思議な高揚感を覚えます。
今回は小箱の製作ですが、この加工を利用して、もっと大きな収納ボックス製作も可能です。
こんな加工を覚えて行くと、いつの間にかネジを使わない木工が多くなって行くのではないでしょうか?
ほぞ加工や隙間のない45度の面の接着は、想像以上に強固なものがあります。
今回の加工を応用し、さらに皆さんの加工の幅がどんどん増えて行くことを願っています。
以上