木工の基本は、正確な直角になっている箱を作ること
木工作業の中で最も多い作業は、箱の形状を組み合わせて作る作業ではないでしょうか。
一見簡単そうに見えるこの箱を作る木工作業ですが、作ってみると中々きちんとしたものが出来ないことが多いですよね?
この記事で紹介するポケットホール治具は、木工初心者の方でも簡単に扱える便利な治具です。
ますはポケットホールがどんなものなのかを知らない方のために、まず、その治具の元祖であるアメリカのKreg社の下記の動画をご覧下さい。
ポケットホールの加工例
ポケットホールは、主に下記の2種類の加工が出来ます。
箱や棚の製作をする時の板を直角に接合する場合だけではなく、板の幅を増やしたい時の板はぎの加工も出来ます。
ではプロが作ったものと素人が作ったものは、何処が違うのでしょう?
プロが作った箱は、下記の4つのポイントを全てクリアーしています。
1.1つ1つの部材の寸法が正確
2.箱の四隅が直角
3.板の直角になった角面、平面のつなぎ目の全てに凹凸がない
4.各部材同士の接合が強度
5.塗装が綺麗

そんなこと言ったってプロは何年も経験があるんだし、大型の電動工具や設備があるからでしょう?
大丈夫です!
この記事を読むことで、木工初心者でもプロ顔負けの出来栄えの箱や棚が作れるようになります。
ただ、上記のプロのような完成品を目指す項目の中で、この記事では、1.の正確な切断の方法と5.の塗装についての項目は触れずに、加工方法につてだけに焦点を当ててお話を進めて行きます。
例えて言えば、誰でもフリーハンドで正確な直線は引けなくても、定規があれば誰でも正確な直線が引けますよね?
また、誰でも分度器さえあれば、引かれた直線に直角な線が引けますよね?
その定規と分度器に当たるものが、ポケットホール治具です。
ポケットホール加工で必要な工具
ポケットホール加工で必要な工具
1.電動ドライバー(インパクトドライバーを使う場合、速度は遅めで)
2.ポケットホール治具
3.ポケットホール専用スクリュー(市販の半ネジでも可)
4.クランプ
上記のように、「ポケットホール」の加工は、治具以外は電動ドライバーとクランプさえあれば手軽に始められます。
工具はインパクトドライバーより、電動ドライバーの方をお勧めします。
インパクトドライバーはトルクがあるので、使う場合は、回転速度を遅めにして、何度か試行してから本番の作業をすることをお勧めします。
さらに、その接合の強度を増すためには、ポケットホールに向いたスクリュー(ネジ)を用意することをお勧めします。
Kreg社製のポケットホール治具の3つの特徴
ポケットホール治具は、様々なメーカーから販売されていますが、私はポケットホールの元祖で信頼のおけるアメリカのKreg(クレッグ)社製のものをお勧めします。
その理由は下記3点挙げられます。
ポケットホール加工は、何度も電動ドリルで穴あけ作業をする必要があるため、治具の強度がないと、使いものになりません。
特に穴あけ位置は正確性が求められるので、治具のガタ付きや穴あけガイドの強度があることは必須です。
このサイトでは、色々な箱や棚を作るための加工方法を紹介していますが、この「ポケットホール」を使った加工が、最も簡単に、しかも正確な箱や棚を作ることが出来る方法です。
特に中々思うように、きちんと箱や棚が作れないと悩んでいる木工の初心者の方にお勧めします。
ポケットホールセットには、斜めに穴を開け、ネジ止めをする単純な木工作業ですが、Kregの社のセットの中には、専用の穴あけ用のビットと専用ドリルビットがセットされていて、別売されている専用のスクリュー(ネジ)を止めて行くことが出来ます。
この点は、次の「ポケットホールの仕組み」で詳細をお話しますが、その開けられた穴の形状と専用スクリューを使用すると、通常のネジ止めより接合強度を高めてくれます。
ポケットホールの仕組み
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ポケットホール加工の特徴
1.接合する板材に向けて斜めに穴開けをする
2.ポケットホールを開ける穴の位置を箱の内側にすることで、外側からは加工跡が見えなくなる
3.使用するネジは、半ネジを使用する
4・ネジの頭の形状が、板の接着面側が平らな専用ネジを使用する
5.セットに付属するドリルビットの先端は、Kreg専用のネジ山の四角に対応出来る
Kreg社製ポケットホール治具の4つの優れている点
上記の1.の穴あけ加工は、一度手動で斜めに穴あけ加工をした経験のある方はお判りでしょうが、非常に難易度の高い加工です。
多くの穴あけ加工を、板を貫通させずに、しかもネジ止めに必要な適度な深さの穴あけをすることなど、出来るものではありません。
ポケットホール治具を使うことで、木工初心者の方でもそんな難易度の高い加工が出来でしまいます。
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画像のように、セットに同梱されているドリルビットの先端は特殊な形状をしています。
一般のドリルビットの先端は軸と同じ径の状態になっていますが、このビットの先端は、ネジの下穴になっているため、このビットで穴あけをすると、一番奥は平面になった状態になります。
この開けられた穴の先端が平面になっていることで、専用ネジのヘッド底面が平面になっていることで、さらにネジの接合強度が高まります。
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別の「電動ドライバーのネジ締め」の記事の中で、ネジの種類について説明しています。
そこでは、半ネジの場合、接合する板材に若干の隙間があっても相手の板材を引き寄せる力があることを説明しています。
全ネジを使うネジ止めの場合、接合する板材同士がクランプでぴったりと密着来ていれば、強度の高いネジ止めが出来ますが、クランプの扱いに不慣れな木工の初心者の方には、半ネジの方が強度の高い接合が出来ます。
まだ、そちらの記事を読んでいない方は、上記リンク先の記事も参照下さい。
尚、市販の半ネジを使うことも可能ですが、次で説明するヘッドの形状の違いでKreg社のポケットホール専用のスクリュー(ネジ)の方が強度の高い接合が出来ます。
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一般的なネジのヘッドの形状は、コースレッドのように扇型の曲面を描く皿ネジタイプのものが一般的なものでしょう。
一般的なネジ止めの場合では、効率的にネジ止めを進めてくれます。
曲面を描いているため、ネジの頭を強く押し込まなくてもネジのヘッド部を目立たなくしてくれます。
ただ、接合強度の面から言うと、板材と接地面が平面になったナベ型の方が優れています。
Kregの専用ネジは、一般的なナベ型の下が平面になっているため、ネジの接着面が増すことで接着強度を高めてくれます。
また、セットに付属して来るドリルビットの先端は、一般のプラスではなく、Kregの専用スクリューのネジ山の四角の形状と一致しているため、ネジ山を潰すことのないままで強い締め付けが期待出来ます。
【付属ドライバービットの先端の形状とKreg専用スクリューのネジ山】
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尚、使用するネジを一般的なコースレッドのような市販のネジを使用することも出来ます。
ただ、上図のように、Kregの専用ネジの場合、ネジが押し込まれた向きにそのまま接合強度が伝わるのに対し、一般的なコースレッド等場合では、接合強度は左右に分散されてしまいます。
市販のネジでKregの専用ネジに近い形状で半ネジのを色々調べてみましたが、1本当たりの価格も高くなってしまったり、それほど市販のネジを使うメリットを感じませんでした。
尚、Kregの専用ネジは、セットに付属しているビットではなく、一般的なプラスの形状のネジを止めるビットを使っても止めることは出来ます。
Kerogのポケットホール治具の使い方
昨年、以前から興味のあったKreg社のラインナップの中から、私の使用頻度を考慮して、基本セットである「ポケットホール治具310」を購入してみました。
「310」の上位機種として「320」がありますが、「320」の方は中央にスペーサを挟み込み2つのドリルガイドが装備されているので、1回の加工でスペーサの分だけ間隔を開けた2つの穴が同時に開けられます。
また、スペーサーを外せば「310」のドリルガイドの治具が2個になるので、好きな位置2箇所に加工が出来るようになるので、加工の範囲が広がります。
尚、「320」にはKreg社製のクランプの形状がぴったり収まる「クランプアダプター」が付属しますが、これを使うには、別途Kregのクランプを購入する必要があります。
Kregのクランプは優秀で使い勝手もいいものですが、予算が許せる範囲で選択すればいいでしょう。
もちろんこのクランプは、ポケットホールで使わずに一般的なクランプとしても活用出来ます。
一方、今回紹介するポケットホール加工では、Kreg社製ではない一般的なクランプを使っても、何の支障もなく加工出来ます。
「320」の最大利点は「クランプアダプター」抜きでも、2つのドリルガイドがあることで、電動ドライバーの扱いに慣れた方にとって、作業効率をかなりアップさせてくれます。
一方ドリルガイドが1つしかない「310」は、不要なクランプアダプターもなく、治具の固定や穴あけを1ヶ所づつしっかりと進めて行けるので、電動ドライバーの作業に慣れていない木工の初心者には、よりこちらの方がお勧めです。
木工初心者の方が最初のポケットホール治具として「310」と「320」のどちらを選択するかは、木工作業の経験年数や今後の使う頻度、予算等を考慮して選べばいいでしょう。
どちらも、木工初心者が初めてポケットホール治具を使うセットとしてお勧めのアイテムです。
購入したポケットホール治具の紹介
【セット外観】
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【セット内容】
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ポケットホール治具のセッティング方法
ポケットホール治具は、板厚に応じたセッティングが必要になりますが、とてもシンプルな仕組みなので、木工の初心者の方でも簡単にセッティングが完了します。
実際の加工の段取りとしては、まず板厚を付属の「厚さ測定ゲージ」で測ります。
「厚さ測定ゲージ」には、下記画像のように、4つの板厚に応じた区分けがされいます。
「厚さ測定ゲージ」で測ったその数字でその後、
1.治具の底面にあるストッパーの数字の位置で固定
2.電動ドライバーに専用のドリルビットを付け、ストッパーの窓の数字で固定する
3.一覧表から、使用する長さのネジを用意する
これでポケットホール加工のセッティングは完了です。
具体的な例でお話ししましょう。
「厚さ測定ゲージ」で測った数値が画像のように「13」だったとしましょう。
その後、その下の対応表をご覧ください。
「厚さ測定ゲージ」の「13」の数字を辿ると、「ドリルストッパー」と「治具ストッパー」で同じ「13」に設定すればいいことが分ります。
接合で使用するネジは、長さ25mmのものを使えばいい訳です。
【厚さ測定ゲージに表示されている4つの数値】
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【厚さ測定ゲージの数字とドリル・治具ストッパー・使用ネジの対応表】
厚さ測定ゲージ | ドリルストッパー | 治具ストッパー | ネジの長さ |
13 | 13 | 13 | 25mm(19mm) |
19 | 19 | 19 | 32mm |
i | 19 | 19 | 38mm |
38 | 38 | 38 | 64mm |
*厚さ測定ゲージの目盛り13の目盛りの下限に近い場合、ネジの先端が突き出てしまう可能性があるため、ネジの長さを25mmではなく、19mmにすることが推奨されています。
セッティング例
【使用する板材の板厚を厚さ測定ゲージで確認】
*尚、板厚が「19」と「38」の間の「i」の範囲になっている場合は、「19」の設定と同様にする
この例の場合、板厚は、ゲージの「13」の範囲に収まっていることが確認出来たので、これ以降の各ストッパーの設定数値は「13」とする
ストッパーの位置を動かすと、該当の数字位置で穴が塞がるので、ストッパー突起部を押したまま、前後に動かして上部の数値設定窓を確認する
【治具底面のストッパーの設定方法】
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【設定窓で「13」が塞がっていることを確認】
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付属のドリルビットにストッパーをはめ込み、ストッパーの窓からビットに表示されている「13」の数値が見える位置で「厚さ測定ゲージ」横の六角レンチをストッパー横の穴に入れて固定する
【ドリルストッパーの設定】
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ポケットホール加工 のポイント
この記事では、各板材を切断するまでの行程は省略します。
最初にお話したプロのようなきちんとした作品を完成させるには、下記の条件が揃っていることが前提です。
1.板材に、設計図通りの寸法に正確な墨線が引かれていること
2.墨線にぴったりと沿った直線性と直角の断面を持つ板材が用意されていること
正確な墨線の引き方と正確な切断をするためのポイントについて、別の記事で木工初心者の方にも解りやすく解説しています。
まだ読まれていない方は、そちらの記事も参考にしてください。
ポケットホール加工の流れ
「ポケットホール加工の特徴」で書いたように、棚や箱の外側から加工跡が見えなくなる内側の箇所にポケットホール加工をすることに留意してください。
ポケットホール加工をして行く位置を決める上で加工する穴と穴の間隔に留意する必要があります。
必要以上に間隔を狭めた加工は、意味のない加工です。
逆に、間隔を開けすぎると、強度が落ちたり、板の重さで隙間が出来てしまいます。
Kreg社のマニュアルでは、下記の間隔でポケットホール加工をすることが推奨されています。
<板の端からは15mm〜38mmの位置 以降150mm〜200mmの間隔を取って加工することを推奨>
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【治具をクランプで固定】
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・画像の「木くず吐き出し口」から切断された木くずが出て来るため、「木くず吐き出し口」を開けた状態でクランプを固定すること
・板材が長い場合には、板材全体が動かないように予備のクランプをしておく
【加工開始前のドリルビットの位置】
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これは、板材に先端が当たった状態で電動ドリルのビットのトリガーを入れるとドリルの先端に大きな負荷を与えてしまうため
穴あけ加工は、1回で終わらせるのではなく、何度かビットを出し入れしながら、深さを徐々に増して行くこと。
これは、ビット先端の負荷を和らげることと、加工が後の穴の周囲のバリの発生を抑えるため
【ビットを押し込んだ状態】
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【一度少し引き抜いた状態】
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【加工が完了して治具を外した状態】
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加工跡にバリが出ていた場合には、サンドペーパーの#80か#120で綺麗に仕上げておく
以降、同様の手順で必要箇所の全てにポケットホール加工をしていきます。
組み立てが終わってしまうと、細かい部分のサンディングが出来なくなってしまいます。
まだ板状の状態で板材の全てにサンディングをしておきます。
この記事では詳細は省きますが、別の記事で塗装前の下地処理について説明していますので、
必要に応じてそつらの記事も参考にしてください。
この先の加工で最も注意する点は、接合する板材双方をクランプの固定する方法です。
クランプで固定された状態は、そのまま完成した状態になります。
ポイントは、「双方の板材に目違いがない状態でクランプでしっかりと固定する」ことです。
クランプの固定に時間を掛けて下さい。
クランプで完全に板材が固定出来れば、ネジ止め作業は楽で楽しい作業になります。
【直角の接合時のクランプの例】
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この画像では、直角に接合する2つの板材を作業台にクランプし、さらにネジを止める板材がネジ止めの作業の途中でも動かないように、端材を縦板に押し付けて固定してます。
板はぎをする場合に最も注意が必要な点は、ネジが接合する板材に達した瞬間に板材が引き寄せられることで持ち上がってしまうことです。
そのことを防ぐために、板はぎで接合する板材の境目に端材を敷き、クランプで固定する必要があります。
【板はぎのネジ止めの場合のクランプの例】
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左右が離れないようにハタガネで固定し、さらに繋ぎ目が上に持ち上がることを防ぐために端材をクランプで固定しています。
【ネジ止めが完成した状態(2枚)】
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板はぎが完了した時点でサンディングをしておきます。
クランプをする要領は同じです。
板材の直角を保つためのクランプの固定を念入りにしてから、ネジ止めを進めて行ってください。
ただし、既にサンディングが完了しているので、組み立て作業は材を頻繁に裏返しにしたり動かしていくので、板材の表面に傷が付かないように充分留意してください。
ポケットホールで作った棚の製作例
以前から自宅のキッチン回りの小物を整理出来る棚が欲しいと思っていたので、Kreg社製のポケットホール治具で制作してみました。
棚の中に整理する小物の全体量と寸法を概算で出し、下記の設計図を描いて行きました。
使用した板材
杉板:15mm x 150mm x 1000mm 5枚
合板: 4mm x 800mm x 800mm 1枚
使用工具・材料
・電動ドライバー
・Kreg ポケットホール治具セット:「310」
・Kreg ポケットホール用スクリュー:25mm (100本入り)
・クランプ 4本程度
・ハタがね:2本〜4本
・電動オービタルサンダー :主に板の表面・裏面の使用番手:#80、#120, #240)
・サンドペーパー:主にポケットホールのバリ取りの使用番手:#80, #120
・着色塗料:和信ペイント 水性ボアステイン(色)マホガニー・ブラウン 2度塗り
・和新サンディングシーラー
・和新 水性ウレタンニス(艶あり)
・塗装後仕上げ用サンドペーパー:#240,#400,#600,#800,#1000
・塗装用はけ:6本:塗料用途別に刷毛太1本と刷毛細各1本づつ
板材は、幅150mmの杉材があったので、2枚をポケットホールで板つぎをして幅300mmの板材として使用しました。
また、中央の上部と裏板には板厚4mmの合板を使用し、トリマーで幅5mm 深さ5mmの溝加工をして落とし込むように設計しました。
棚の設計図
私は設計図は、「Drafting Cad Pro」というソフトで作成しています。
とても使いやすいソフトで10年ほど使っています。
無料のお試し版もありますので、良かったら試してみてください。
詳細は設計図の書き方についてや簡単に設計図が描ける「Drafting Cad」については、別の記事「DIYの設計図の書き方」でその詳細を紹介しています。
そちらの記事も参考にしてみてください。
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ポケットホール加工で完成した棚
【ポケットホール加工の完了時(表側)】
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*棚の中側にはポケットホールの加工跡が見えます。
【ポケットホール加工の完了時(裏側)】
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【ポケットホール加工の完了時(側面・天板)】
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*棚の外面・天板には、ポケットホール治具の加工跡は何も見えません。
【着色2回塗り完了】
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【1回目のサンディングシーラー塗装の完了時】
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【1回目の水性ウレタンニス完了時】
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【塗装完了時(表側)】
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【塗装完了時(裏側)】
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塗装のやり方は、別の記事で紹介した方法で仕上げて行きました。
塗装についての詳細を知りたい方は、下記リンクから該当の記事をご覧ください。
【今回使用した塗料の紹介】
まとめ
今回実際にポケットホール治具で棚を作ってみた私の感想は、もし、私が木工の初心者だった頃にこの治具を知っていたら、自分の木工作業が急にワンランク上の腕前になったと感じていたでしょう。
設定の仕方も板厚から読み取った数字を治具の設定全てに適用するシステムは、非常にシンプルで分かりやすいものでした。
それだけ、ポケットホール治具は良く工夫された治具だと思います。
ポケットホールを加工した跡は、確かにネジを押し込む穴が目立ちますが、完成したときには外側にはいっさい加工跡が残らない点がとても良く考えられた治具だと思います。
別売りでポケットホール加工で空いた穴を平面にして塞ぐ「ポケットホールプラグ」という部材も販売されていますが、それを使わなくても棚の中にモノを置いて使い始めれば見えなくなってしまいます。
注意点として、今回私が使用した板材は15mmで板厚が最も薄いポケットホール加工でした。
ポケットホールで使用するネジの長さも必然的に短くなるため、そんな板厚の薄い場合、接着強度を増すために、木工用ボンドを併用することをお勧めします。
もちろん、他の厚い板厚でも特に本棚等の重量物を入れる棚には木工用ボンドを併用した方が接着強度は増すためお勧めします。
ポケットホール治具を使いこなしていくことで、同時に木工の接合の基本も身に付いていくでしょう。
皆さんも、気楽にポケットホール治具を使って、たくさんの作品作りをしてみてください。
以上
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