設計図を描く前に
まず手書きのスケッチで、作りたいもののラフな全体像を描いてみましょう。
作品の全体像の構想を練る
作業をする前に、手書きでメモに描き出して行くと作品のイメージが徐々に固まって来ます。
作品の構想を決めるポイントは下記項目です。
・大きさ(縦・横・奥行き)
・デザイン(シンプルなもの・装飾的なもの等)
・加工方法(組み立て方法・・・ネジを使うのか、そのネジは隠すのか・ネジは使わないのか?ダボ加工か?ほぞ加工にするのか?)
・完成したときの塗装状態
最初は手書きのメモにポイントを書きだし、徐々に構想を固めて行きます。
出来上がった作品を置く場所の縦・横・奥行きの寸法をミリ単位まで正確に測っておく必要があります。
置いた時に圧迫感を感じないか、近くに扉があった場合にそれと干渉しないか、引き出し、扉の取り付けが可能か、棚だけにした方がいいか、等サイズとその作品の機能面も考えながら、作品のイメージを固めて行きます。
完成品のイメージは、周囲に置いてある家具のデザインや色から、そこにマッチするものがはどんな雰囲気ものもかを検討していきます。
特に、デザイン、色、塗装方法は、鏡面仕上げのように繊細で洗練された雰囲気のものから、敢えて古材を使ったようなラフな仕上げにするのか、木目と曲線を生かしたカントリー調のものにするのか、あるいは直線を重視した都市型のシンプルなものにするのか ect・・
自分が作りたい雰囲気のものを明確にしましょう。
また、100%自分の頭の中からオリジナルのデザインを生み出して行くことは難しいので、日頃から既存の色々な家具、文房具、小物、置物等の実物・画像を店先や雑誌、ネット上等で見て、そのデザインや加工方法まで興味を持って見ることがデザインセンスを磨いて行くことにもなります。
この前ネットや雑誌で見て気に入った、あんな感じのものを真似て作ってみたい!そこから始めましょう。
木工作業は、小さなものから大きなものまで、箱を組み合わせて行くことがほとんどです。
ご自分の今の加工レベルでも出来そうだと思えるものを作りながら、徐々に難しい加工に挑戦していって下さい。
加工方法を決めることで、最終的な作品の外観と接着面の強度が大きく変わって来ます。
最も難易度の低い加工方法は、ネジ止めをして組み立てて行く加工方法です。
最も難易度の高い加工方法は、ほぞ加工です。
特に引き出しのある作品を作る際には、難易度が高くならないように注意して下さい。
別の記事「木工 DIy 初心者の基礎|上達する5つのポイント」で書いた木目や加工の難易度が高い部分があると、引き出しが入らなくなったり、逆に隙間が見えると外観がいかにも素人っぽくなってしまいます。
最初は木ネジを使用し、それからネジを隠す加工を覚え、さらに最終的にはほぞ加工や溝加工でネジを使わない加工が出来たら、最高ですね!
各部材に正確な墨線が引けて、その切断箇所が直線性と直角が確保出来ていれば、きちんと作品は出来上がるはずです。
精度の高い加工の前提条件になるのが、1mmの誤差もなく正確な墨線を引くことです。
墨線を正確に引く秘訣は下記の記事で詳細に説明しています。
そちらの記事も参考にして下さい。
DIYの設計図が必要性な4つの理由
設計図を書くというと、建築で使われている精密な図面を思い浮かべるかも知れません。
木工DIYの世界では、設計図はあくまでも”自分にとって分かりやすい指示書”だと考えればいいでしょう。
DIYで木工する時、ほとんどの場合は設計図を書く人と作業をする人は同じです。
設計図を書く上で、設計図の一般的なルールを参考にする程度で、自分が分かりやすいかどうかをメインにして書いていけばいい訳です。
でも何故、手間が掛かるこのような設計図を書く必要があるのでしょうか?
1.失敗しないために
簡単な手書きのメモだけで木工作業をスタートさせてしまうと、完成後の縦横、奥行きの寸法だけに注意が向いてしまい、各部材の板厚を考えないで、部材を切断してしまうという事が起きます。
せっかく、今度こそいい作品を!とやる気満々だった気持ちは、いっぺんに萎えてしまいます。
2.失敗すると新たな費用や手間が発生する
切断のサイズを失敗しても長過ぎた場合には、余分な部分を切断すればいいだけです。
ところが短か過ぎて切断してしまった場合は、その長さと同じ部材が手元にあればいいのですが、ない場合には買い直す必要が出て来ます。
出費を押さえようと、短く切ってしまった部材に合わせて、他の部材を切り直すと、出来上がる作品の大きさは当初より小さくなってしまいます。
他に同サイズの余った部材があり、買い直す必要がなかったとしても、もう一度切断し直すという手間が発生します。
工具代は別にして、1つの木工作品を作るのに必要な費用の内訳は、材料である木材に掛かる費用が平均で8割から9割ほどにもなります。
部材を買い直すことは、余計な費用を発生させますので、趣味で木工をしていく上でうっかりミスをなくし、一度の加工で完成させて行くことはとても重要なことです。
3.各部材を組み立てて行く手順をシュミレーション出来る
設計図を書くことで、どのように部材を組み立てて部材同士を結合させていけばいいのか、頭の中でシュミレーションすることが出来ます。
もし、今まで経験のない加工に新たに挑戦するのであれば、手持ちの端材を使って試作することをお勧めします。
現在の自分の加工のレベルを考慮した上で、頭の中で完成するまでの工程をイメージし、必要に応じて試作してみて、最終の加工方法を決め、それを設計図に反映させて行きます。
それを繰り返して行くうちに失敗が少なくなり、自分が出来る加工の幅も増え、自信も付いて行きます。
4.複雑な部材の接合の仕方を明確に示す
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部材の接合方法の中で最も簡単な加工方法は、ボンド、釘打ち、ネジ止めです。
でも、徐々に経験を積んで行くとネジや釘の加工した跡が残らない加工をしたくなるのではないでしょうか?
上図のようなネジを使わずに、接合した箇所の強度を高めるほぞ加工をする場合、ほぞ穴の幅と深さ、ほぞ穴に差し込むほぞの幅と長さの目安の寸法は、必ず設計図に記入しておく必要があります。
目安と言うのは、設計図上は、20mmの幅、長さ40mm、深さ8mmの大きさのほぞ穴を作る例を考えてみましょう。
設計図上も、差し込む側のほぞもほぞ穴も幅20mm、長さ40mmとして書きますが、実際に加工する場合は、差し込むほぞは20ミリ角よりコンマ数ミリだけ大きく加工します。
ほぞ穴にきつめに入るようになるまで、何度かノミやトリマーでコンマ数ミリづつ削っていきます。
このように、設計図上の寸法と実際に加工した現物は、同じとは言えないことが起きます。
その意味でほぞ加工の場合では、その寸法は1つの目安でしかない訳です。
その現物の加工サイズと設計図上の差異は、完成した時にはほぞ部分は全て見えなくなり、出来上がった作品には何も影響がないものになります。
ただ、ほぞの縦、横、長さの寸法はほぞ加工の目安となるため、設計図上はその基準となるためどうしても必要な情報です。
ほぞ加工はかなり複雑な加工のため、別途ほぞ加工をする部分だけを拡大した「ほぞ加工図」を加えることも必要です。
このように、きちんと正確に書かれた設計図が手元にあると、自分のレベルに合わせた加工方法で手を止めることなく、失敗も少なく作品の組み立てと接着までの作業を進ませて行くことが出来ます。
DIYの設計図の書き方
手書きで書く
方眼紙と定規、鉛筆等で設計図を書いて行く方法です。
デメリット:時間が掛かる
設計図は、実際の寸法を一定の縮尺に変更して書いていくため、計算しして縮小した線を方眼紙に引いて行く必要があります。
この手間を省くものとして、縮尺の目盛りが付いた「三角スケール」があります。
これは、三角柱の形をしたスケールで、1つの面に2つの縮尺の目盛りが付いていて、合計で6種類の縮尺に応じた目盛りが付いているものです。
縮尺をいちいち計算しなくても、希望の縮尺の目盛りを読み取りながら方眼紙に所定の長さの線を引いて行くことが出来ます。
Microsoft Excelを使う
私が木工をやり始めた当初、いつも参考にしていたサイトに「VIC’S DIY」というサイトがあります。
このサイトの運営者の大橋さんは、どこの家庭にもあるノコギリやカンナといった手工具と電動ドライバーだけで、素人がお金や作業場所を選ばずに出来る日曜大工の方法を提唱されている方です。
1つ1つの工程を画像入りで詳細に説明されてあり、特に電動工具が使えない集合住宅に住んでいる方にはとても参考になると思います。
サイトの中に、Excelの設計図のテンプレ―を作成して効率化する方法が出ていますが、設計図を方眼紙に手書きでするより、はるかに手間なく設計図が書けます。
当時は私もこのExcelのテンプレートを元に自分の設計図作成したものを送り、指導を受けたこともあります。
興味のある方はこのサイト内の設計図を作成方法を参考にてしてみて下さい。
CADソフトを使って書く
木工を趣味で始めた当初、私は手書きで設計図を作成することを止め、上記の大橋さんのサイトのExcelファイルのテンプレート元に設計図を書き始めました。
ただ、寸法線を描くときに、1本1本の線を描いた後に矢印を表示させ、さらに線の太さを設定して行くといった一連の処理が徐々に面倒になって来ました。
1つの基本なる線や矢印をコピーすればいいのですが、多くの寸法線が必要なので、その手間が掛かることにいつしかうんざりして来ました。
その後、ネット上で描画機能のあるCADソフトを見つけ、使い始めました。
Excelと最も違うのは、寸法線を入れたい始点と終点をクリックするだけで自動的にその寸法線並びにその寸法が設計図上に反映する機能があることです。
寸法の数字を入力する必要はなく、始点と終点の位置をクリックするだけです。
クリックする位置が、若干ずれて求める数値にならないこともありますが。その時は数値を修正すると同時に寸法線も修正されます。
こうした専用ソフトを使うことで、私の設計図に掛ける時間は大幅に短縮出来ました。
このサイトで寸法の入った図は、全てこのCADソフトで作ったものです。
限られた時間の中で、設計図に掛ける時間を出来るだけ短縮し、その分、構想を練ったり実際の木工作業の方に時間を掛けたい、そんな私には、今では手放せないツールになっています。
私が使っているこのソフトは、インフィニシス社の「ドフトティング キャド プロ」というCADソフトです。
最初は簡易版を使っていましたが、その後、プロ版にアップグレードしました。
通常はこの簡易版の機能だけで十分だと思います。
どんなソフトなのか試せる無料の体験版もありますので、興味のある方は試してみて下さい。
【MAC OS 簡易版】Mac OS 10.14以上対応 M1チップ完全対応(インテルチップも可能)
【MAc OS PRO版】Mac OS 10.14以上対応 M1チップ完全対応(インテルチップも可能)
【Windows 簡易版】Windows 8 ,10,11に対応
【Windows Pro版】WindowsWindows 8 ,10,11に対応
設計図に必要になる図面
設計図で最低限必要な図は、下記になります。
平面図
完成品を上から見た図です。
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正面図
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完成品を上または正面から見た図です。
寸法を表示すべき箇所は全て記入します。
木工では長さの単位をミリで表示することが一般的ですので、単位は全てミリ表示です。
例: 10cm → 100mm
側面図
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完成品を横から見た図です。
一般的には、正面右側から見た図を指しますが、左右で違うデザインのものは、「右側面図」「左側面図」の両方を書く必要があります。
側面が正面と背面の板材とどうつなげて行くのか、その接合部分となる板材の厚さを意識して記入いて行く必要があります。
下方図
完成品を下から見た図です。
ほとんどの場合には必要ありませんが、複雑な形状をしているもので、平面図では見え
ない箇所を分かりやすくするために必要な場合に書きます。
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加工図
平面図とは違って、加工に必要な寸法を表示しています。
特に側板と天板と、どう接合して行くのかを解りやすく書いて行きます。
上記「設計図を書く必要性」で触れたように、特に加工が複雑なものは、どの場所にどの加工をして行くのか、自分が分かりやすいように表示するようにしています
また、ほぞ加工のような複雑な加工の場合には、その加工部分だけをアップにした図を別途書こともお勧めします。
木組み図
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必要な部材を全て書き出し、その寸法を明記して行きます。
木組みをどのような方法でしていくかによって、各部材に必要な寸法は異なって来ます。
上図は木組みをほぞ加工するため、最初の加工の切断作業の目安にになる、横板のほぞの先端までの寸法を明記してあります。
もし、ダボ穴加工をする場合は、面と面と接合になるため、ほぞの部分の寸法は不要になります。
部材図
<クリックで拡大>
部材図は、製作に必要な部材のサイズを並べて書き出すことで、作品に必要な木材のどんなザイズのものが何枚必要かを漏れなく書き出すために作成します。
板厚が同じで縦横の寸法も同一の部材が2本あった場合には、脇に ”×2”と表示しても構いません。
板取り図
<クリックで拡大>
上記の部材図を元に板取図を描いておくことで、各部材を切断した後に出て九来る使わない端材を少なくするために書きます。
使わない箇所を少なくすることで、材料費の総額を出来るだけ安く押さえるためです。
板取図を描くことで「歩留まり(ぶどまり)のいい板取り」を探っていくわけす。
この「板取図」を作成する段階では、使用する木材を何にするかを決めておき、この「板取図」を元に、次章で説明する購入する木材のサイズを想定し、大よその木材の費用を算出します。
その合計費用が想定以上になってしまった場合には、使う木材を変えたり、他のもう少し安い合板にしたらどうかを検討します。
無垢材に近い表面の塗装も見栄えのいい合板としては、シナ合板がありますが、そちらに変更する場合もあります。
このように板取図を作成することで、出来るだけ無駄な端材を出さず、最も適切なサイズの木材の購入をして行くことが出来ます。
使用する木材を決める
作成する作品の用途や置く場所等に応じて、使用する木材を決めて行きます。
その作品を出来るだけ安い金額で収めたいのか、それとも少し高価でも高級感のあるものにしたいかの違いで、購入する木材が違ってくると思います。
ただ、初心者の方は加工途中で失敗も多いので、ホームセンターで入手できる比較的安価なものでも十分見栄えのいい作品が出来るので、そこから始めることをお勧めします。
ホームセンターで入手出来る木材は、パイン系の針葉樹なので、柔らかく加工が楽だというメリットもあります。
高価な木材は、広葉樹がほとんどで、その希少性から値段が高くなりますが、その独特の木肌や木目の美しさは格別です。
ただ、広葉樹は一部を除き、材質が針葉樹に比べ固く、加工がしにくい面があります。
自分の加工に自信がついてから、作品の用途や作品への思い入れに応じて部分的に少しづつ高価な木材をアクセントとして使用し、その作品をグレードアップして行くという手もあります。
ここでは、主に近所のホームセンターで入手出来る木材をご紹介します。
ホームセンターで入手しやすい木材
SPF材、ホワイトウッド
1x4(ワンバイフォー)、2x4(ツーバイフォー)材として、ホームセンターならどこでも見掛ける木材です。
この木材は、欧米のツーバイフォー工法の住宅で使用されることが多いため、その数字の単位はインチやフィートで表示されています。
実際の1インチは25.4mm ですが、店頭に並べられる前に乾燥で木材が縮み、角が面取り加工されているため、実際には1x4材は(厚み25.4mmのところ)19mmで、幅4インチは(25,4ミリ x 4 = 101,6ミリのところ)89mmの寸法で売られています。
ワンバイフォー・ツーバイフォー材の寸法
サイズ | 板厚(ミリ) | 横幅(ミリ) |
1 x 4 | 19 | 89 |
1 x 6 | 19 | 140 |
1 x 8 | 19 | 184 |
1 x 10 | 19 | 235 |
2 x 2 | 38 | 38 |
2 x 4 | 38 | 89 |
2 x 6 | 38 | 140 |
2 x 8 | 38 | 184 |
2 x 10 | 38 | 235 |
長さは短いもので914mm(3フィート)、1,820mm(6フィート)、2,438mm(8フィート)3,048mm(10フィート)まであります。
この中でどこのホームセンターでも見掛けるのは、長さが1,820ミリのものです。
同じ種類の木材を貼り合わせた集成材ではないので、長さが長くても、木目は自然に流れているのが特徴です。
ただ、安価な分、買う前に必ず下記点を1本ずつ確認して、選ぶようにして下さい。
・長さが長いほど、ねじれや湾曲しているものが多い。
・表目の木肌が荒い
・節(ふし)が多く、加工中に取れて穴になってしまうものがある
・表面が綺麗でも、側面の角に欠けがある場合が多い
・パイン材固有のヤニが表面に出ているものがある
特に1x4材は、薄いので、ねじれが多いので、私は1本ずつ持ち上げて確認して買うようにしています。
パイン材(松材)
<クリックで拡大>
パイン材は前述した1x4材、2x4材と並んで何処のホームセンターでも見かけるポピュラーな板材です。
パイン材には無垢の1枚板と、パイン材同士を貼り合わせて作られた「集成材」の2種類があります。
無垢材のものは、木目が一方向に自然に流れて美しいものですが、その分、集成材よりも高価になります。
また、完成後に木が季節の変動によって、無垢材の方ねじれやソリが発生する可能性が高くなります。
最近では、何処のホームセンターでも、1枚モノの無垢のパイン材を手に入れるのは難しくなって来ています。
また、私は節のある方が好きですが、集成材で節のあるものを見つけるのには苦労します。
厚みは、15ミリ、18ミリ、20ミリぐらいが、入手しやすいサイズで、幅や長さは、かなり豊富にカットされたものが並んでいます。
価格は2x4材よりも高価になりますが、透明なセロファン紙で保護されており、傷、板のねじれや湾曲、欠けは少なく、入念なチェックはそれほど必要ではありません。
赤松・杉
<杉材>
2x4材やパイン材が白っぽいのに対し、杉や赤松は、少し赤みや茶系の色味があります。
よく、杉は部屋の天井やフロアー材としても使用されることが多く、その美しさはパイン材以上のものがあります。
ただ、柔らかいために、厚みが薄いものは、すぐに反りが出て来ます。
特に棚板として使用することには向いていないので、綺麗な木目を生かすために、正面に木表が来る使い方が杉板の特徴を生かす設計と言えます。
杉板を使用する箇所は、反りを防止するために予め設計図を書く時点で、しっかりと接着出来る木組みをしておく必要があります。
昔から升や桶、壁材としても使われ、伝統的な焼き杉の工法で、表面を炭状にすることで、外壁に使用され、防虫と耐久性に優れた効果を発揮します。
赤松、杉ともに比較的手頃な価格で入手でき、柔らかく加工しやすいので、パイン材と並んで初心者にはお勧めの木材です。
ラワン合板
薄くスライスした木を木目を交互にしながら貼り合わせたものが合板で、ベニヤとも言います。
さらに合板は、用途として、一般用、構造用合板、コンパネの3種類に分かれます。
合板の種類
1. 一般用:木工用、その他
2.構造用合板:住宅建設で床や屋根、壁の下地として使用
3.コンパネ;住宅の基礎部分等のコンクリートの整形に使用
上記3種類とも基本のサイズは、旧来の尺から、サブロク」(3尺x6尺)という基準があり、910ミリ x 1,820ミリが標準サイズになっています。
木工では、1,の一般用を使用しますが、価格は木工で使用する材の中ではもっとも安く入手できる分、表面の木肌は荒くなります。
そのため、家具類では目立たない後ろの背板や引き出しの底板等に使用したり、丸ノコやトリマーの治具としての用途に向いています。
サイズは「サブロク」意外のサイズも豊富にカットされたものが揃っています。
合板のメリット・デメリット
メリット:反りがほとんどない。
デメリット:木肌が荒く、用途によっては正面に木表を出すデザインだとチープになってしまう
シナ合板
<シナ合板>
木材の裏表、または片面だけに木目やカラーフィルムが貼られた化粧合板がありますが。木工作業で無垢材の使用と見違えるほどの出来栄えになるシナ合板をお勧めします。
費用は無垢材を使用するよりも、低く押さえられ、見た目も無垢材と見間違うほど上品なものに出来ます。
素材であるシナの木肌は。ベニヤの最大の欠点である表面の荒さが解消され、白く上品な木肌をしています。
ただ、表面のシナの部分は薄く、中間に別の材質の木材が貼り合わせて強度を高めているので、構造はベニヤと同じものです。
シナ合板には2種類あり、見分け方は板の厚み部分を見るとその違いが分かります。
シナ合板(ラワン芯)
厚み部分が濃い茶色のラワン材が何層かストライプ状に見えるものです。
合板であることを逆手に取って、この部分を見せてストライプとして見せるデザインも可能です。
シナ合板(ランバーコア)
厚み部分が白く、ストライプは見えません。表面はシナ合板(ラワン芯)と同様の美しさですが、厚み部分は芯材で、表面に薄いシナ材を貼り付けたもので、同じ厚みでも、こちらの方が軽く出来ています。
価格もシナ合板(ラワン芯)よりも安くなります。
ラワン合板のシナベニヤと違い、木口は目立つため、特に家具で使用する場合には、木口を目立たなくする設計が必要です。
強度的には、どちらも同じぐらい強いので、アクセントとしてシナ合板(ラワン材)の切り口を見せるか、切り口は隠すデザインにしてコストを抑えるかの選択をすればいいと思います。
用途は、ラワン合板よりも、見た目が格段にアップするので、棚板の背面、引き出しの底板、丸ノコやトリマーの治具と幅広く使用出来ます。
また、家具への使用を積極的に使っても、表面を塗装し、切断面を隠すデザインにすると、合板で作られたものとは思えないほど、品格のある作品が出来ます。
無垢材
ローズウッド(紫檀):茶系の上品な色合いで、高級家具や楽器のフレット部分に使用される。変形しにくく固い
タモ:白く木目が綺麗 変形しにくく固い
オーク(ナラ):同じく白く重量感がある。木目も美しい。タモ材よりも高価
桜:やや薄い茶系の色合いと明るい茶系の木目が美しい
etc・・
用途は、面が広く、ある程度の大きさを求める食卓やリビングのテーブル、椅子の座面等に使われます。
下記のショップは、一般のホームセンターでは手に入れることが難しい無垢材を自分の好みのサイズで手に入れることが出来ます。
椅子や机棚の製作で、いつもより気合の入った作品を作ろうとする時には、無垢材を使って制作するのもいいですね。
材料の入手する時の参考にしてみてください。
木材通販のマルトクショップ
次の行程は切断作業になります。
下記の記事の中から、興味があるものを参考にしてください。
以上