段欠き加工と溝加工でほぞに挑戦!|ペン立ての製作例

製作実例
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ほぞ加工と言うと、一般的にはメス側が板の木口面に四角いほぞ穴が開いていて、そこに突起したほぞが差し込まれて行くものを想像するのではないでしょうか?

この記事で紹介するほぞ加工は、メスの部分が溝になっています。

それに対するオス側は、段欠き加工で断面がL字型になった箇所が、溝に差し込まれて行きます。

このようなほぞ組みのことを「肩胴付き大入れ継ぎ」といいます。

何だか、急に職人になった気分ですね。

難しそうな加工に見えますが、溝加工も段欠き加工も、ストレートビットを直線に動かすだけなので、自作のトリマーガイドさえあれば出来ます。

この記事では、オス側の段欠き加工をする手順を紹介しながら、溝と段欠き加工がどうやってほぞになって行くのかを説明します。

このほぞ加工の仕組みは、その先端の幅の寸法を、別の板材に掘った溝の幅ぴったりに加工して行くことでほぞのオス側にして行くものです。

この記事を読むことで、トリマーの基本的なストレートビットを使って溝と段欠き加工という、比較的難易度の低いトリマーの加工をするだけで、長年経験を積んだ職人の技と言われているほぞ加工が出来ることがお分かり頂けると思います。

さらに、今回のペン立てのほぞの加工の製作例は、一般の木工DIYで作る作品のほとんどは箱を組み合わせたものなので、下記のように棚や本箱、飾り棚等の多くの場面で使うことが出来ます。

 

example-of-notched-processings

 

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ほぞ加工なので、釘もネジも使用しません。

組み立てに必要なものは、木工用ボンドだけです。

もし、精度が高くきつめのほぞ加工が出きれば、木工ボンドも不要なほど強い接合強度が得られます。

今回紹介するほぞ加工がマスター出来たら、あなたの木工作品はまるでプロが作った既製品に近くなっているでしょう。

きっとトリマーの威力も実感して頂けると思います。

トリマーをまだお持ちではない方でトリマーに興味を持っている方は、下記の記事を参考にしてみて下さい。

静音に配慮した、使い勝手のいいお勧めのトリマーのべスト3を紹介しています。

 

トリマーの基本的な使い方や、段欠き加工で使用する自作のトリマーガイドについては、下記の記事を既に読んでいることを前提に、重複を避けるため説明は省いています。

基本的なトリマーの使い方や、自作のトリマーガイドの記事をまだ読んでいない方は、そちらも併せて参照してみて下さい。

 

 

 

 

では、今回のほぞ加工の実例として「ペン立て」を作る過程を通して、段欠き加工で作るオスの部分とメスになる溝が接合するほぞ加工の手順をお話しして行きましょう。

 

ペン立ての設計図

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processing-drawing-of-the-pen-stand

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*ペン立ての幅と高さは、ご自分の好きなサイズに変更して頂いて結構です。

*板材は、パイン材・杉材・赤松材等の柔らかい針葉樹をお勧めします。

*1 x 4 材等のSPF材は、端に面取りがしてあることと、表面の木肌が荒いのであまりお勧めはしません

*板材の厚みも、手持ちの端材に合わせて変えて頂いて結構です。

 

使用する工具

・ストッパー付きスケール

・丸ノコ(のこぎり):部材の切断に使用

・トリマー:溝と段欠き加工で使用

・トリマービット:8mm(溝・段欠き加工用)6mm(底板溝加工用)

(段欠き加工するビットは、段欠き加工する幅よりも大きいサイズのビットを奨励)

・サンドペーパー:#80(#60) ,#120, #240 (表面が綺麗な板材であれば#120 ,#240)

・ハンドサンダー (サンドペーパーを付けて平面の仕上げ用)

 

必要な板材

・厚み 15mm x 85mm x 100 2枚

・厚み 15mm x 59mm x 100  2枚

・厚み 5.5mm x 60mm x 60mm 1枚 (シナ)合板

 

 

部材の荒仕上げと必要なサイズの切断

杉材を使用する場合は、木肌が荒いことが多いので加工前にヤスリで荒仕上げが必要になるかもしれません。

サンドペーパーで下記のように番手を変えて表面を仕上げて行きます。

#80→ #120→ #240

その後、丸ノコかノコギリで必要な寸法に切断していきます。

今回のペン立ては、大きさも大きくないのでノコギリでも切断は苦にならないと思います。

正確な丸ノコやのこぎりの切断の仕方は、下記別の記事を参考にしてください。

もちろん、ホームセンターでカットサービスでしてもらうことでも結構です。

正確なのこぎりと丸ノコ切断方法については、別の下記の記事を参考にして下さい。

 

 

 

 

6mmの溝加工

加工図の左側を御覧ください。

最初に、この85mm x 100mm に切り出した板材にほぞのメスの部分になる幅8mmの溝加工をして行きます。

この縦に加工する幅8mm、深さ7mmの溝が、ほぞ加工の基準になります。

尚、下部にある左右に通る幅6mmの溝加工は、底板をはめ込むための溝です。

幅が6mmでビットの系も違うので、底辺の溝加工は最後に行ないます。

この8mmの溝には、段欠き加工した幅69 ㎜ の別の板材の木口面が直角に接合されます。

もし、溝の加工された位置が少しでもずれていると、段欠き加工した板材を直角に接合した時に双方の板材に段差が出来てしまいます。

理想は、段欠き加工で削られた板材の厚のみ部分の端に墨線が引かれ、その墨線の右側に幅8mm溝が掘られた状態です。

ほぞ加工を失敗させない秘訣 ━ 現物合わせ

このように、ほぞ加工はとても精度の高い加工が要求されるので、仮に板材の厚みに誤差が0.5mmでもあった場合、その誤差が隙間や出っ張りの原因になってしまいます。

人間の目や指先はとても正確なので、少しの隙間や段差を判別してしまいます。

ただ、そうならないようにする秘訣さえ知っていれば、多くの練習や修行をしなくても大丈夫です。

では、このメス側の溝を正確に加工する秘訣をお話しします。

その秘訣は墨線を引かずに、現物合わせをすることで精度の高い加工の位置決めをする方法です。

【現物合わせで溝の位置を決める場合】

how-to-set-the-position-of-notched-processing

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上の画像は、溝加工をする板材の上に自作トリマーガイドを置き、右端に組まれる板材を乗せ、直角に組まれたそれぞれの木表と木口面に段差がないか指先で確かめ、トリマーガイドを固定した状態です。

この直角に当てた板材の位置が、狂いなくほぞで結合された状態です。

墨線は引かれてはいませんが、重ねられた板材を外した状態は、トリマーガイドが固定された右端の位置は、結合される別の板材にぴったりと沿って固定されたことになります。

そして、この状態でトリマーで加工すれば、先ほど乗せた板材の幅の端の位置から右側に幅6mmの溝が掘られます。

一般的には、墨線は設計図を見ながら引いて行きます。

板の右端から15㎜の位置に墨線を引いて、その墨線に合わせてトリマーガイドを乗せ、加工して行きます。

でも、もし実際の板材の幅が14.8㎜ だったらどうでしょう?

特に、最初にサンドペーパーで表面にヤスリを掛けた場合では、表面が削られて板厚が薄くなっている可能性は充分に考えられます。

もし、この一般的なやり方で全ての加工を終えた後、ほぞを組み上げてみると、きっと溝を掘った板材が0.2㎜だけ外側に出っ張っているでしょう。

それに対して、現物合わせをした場合、実際の寸法が何ミリであったとしても実際に組み上げた現物の板材の幅なので、精度はとても高いものになります。

特にほぞ加工の際には、結合される板材を合わせて加工位置を決めて行くことは、とても加工の精度を上げて行くものだということは覚えておいて下さい。

 

トリマー加工の2つのチェックポイント

 

1.加工する方向は、木の繊維(木目)方向か?

正確な溝を加工する位置が分かったので、今度はトリマーの加工について見て行きましょう。

この8mmの溝加工をする方向は、木の繊維方向に向けて溝の端から端まで加工します。

従って、溝の出口付近で加工の「欠け」は発生しませんので、クライムカット(逆切り)をする必要はありません。

トリマーを板材の手前から進入させ、溝の端まで加工をして下さい。

トリマー加工で発生する「欠け」とそれを防ぐ「クライムカット」については、別の記事でその発生する状態とクラムカットのやり方を画像で説明しています。

まだ、読んでいない方はそちらの記事も併せて参照してみて下さい。

 

 

 

2.トリマーのビットの突き出し量は?

 

トリマーには、8mmのストレートビットを固定します。

ビットの突き出し量は、溝の深さ7mm+トリマーガイドの板厚 5.5mmの12.5mmにします。

ここで、この7mmの溝の深さは、普通の溝ではなく、ほぞのメス部分に使われるため、ここにも精度の高い加工が必要になります。

溝の深さが浅いと、ほぞのオス側が最後まで入らず出っ張ってしまい、深すぎるとオスの先端の箇所には隙間が出来てしまいます。

先ほどのように、ビットの深さをトリマーガイドの厚み部分を足して設定するということも、精度を下げてしまう要因になります。

そこで、深さの精度をきちんと設定するため、端材を使って試し彫りをした上でビットの突き出し量がきちんと7mmになっていることを確かめる必要があります。

7mmの深さの加工は1回の加工は、トリマービットに負担が掛かる深さなので、分割加工治具を使って2回に分けて加工します。

慣れないうちは、トリマーが傾くのを防ぐために、右側にトリマーのベースプレートが平行になるように当て木をして下さい。

【右側に当て木をした試し堀りの1回目】

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下記の画像は、最初の溝を試し掘りをした深さを、ノギスで計測したものです。

【試し堀りの結果1回目】

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計測した結果は、7mmに少し足りないようです。

ビットの突き出し量をほんの少しだけ増やし、同じ溝をもう一度加工します。

削る量は、わずかなので、ほんの少しだけ木屑が飛び散る程度です。

 

 

【試し堀りの結果2回目】

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2回目の結果は、7.8mmでした。

許容範囲として、7.5mmから ̟プラスマイナスマイナス0.3mmまでの突き出し量であればOKです。

この深さで加工する板材に、本番の溝を掘って行きます。

同じ溝の加工を2枚の板材に2箇所、合計4本の溝を掘って行きます。

【8mmのメス側の溝が完成した状態】

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段欠き加工の秘訣

さて、次は今回の加工の一番大きな山場である、段欠き加工になります。

このほぞ加工は、最初に加工した幅8mm、深さ7mmの溝を加工した箇所がほぞのメスの部分になります。

これから段欠き加工をして、幅8mm、高さ7mのほぞのオスの部分を削り出して行きます。

オスの部分は削った後に残った部分になるということに留意して下さい。

段欠き加工する面の墨線の引き方

これから段欠き加工をする幅7mmの墨線を引いて行きますが、この段欠き加工をして削った面は、組み立てる時にはペン立ての内側の面になります。

一応、2枚の板材の表裏の表面の木肌や木目を確かめ、どちらが表面になった方がいいかを決めて下さい。

それが決まったら表にしたい方の面を下にして、墨線を引いて行きます。

幅7mmの位置に引かれる墨線は、メス側の溝の深さに対応しています。

相手側の溝の深さは、念入りに何度も試し彫りをしてノギスで確かめたので、問題はありません。

安心して、幅7mmの位置に縦に墨線を引いて行って下さい。

念のため、引かれた墨線が正しく7mmかどうかは、確認しておいて下さい。

今回のように、同じ寸法の墨線を複数の板材に引く時に、ストッパー付きのスケールはとても便利です。

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段欠き加工に使うビットは、大き目のビットを使う

トリマーで使うビットは、同じ8mmのままで加工して行きます。

え?7mmの幅なのに、8mmのビットを?

そう思うかもしれません。

理屈ではそうなのですが、段欠き加工をする場合、原則は求める幅よりも大きい径のビットを使った方が失敗がありません。

これは、コンマ数ミリでもビットの径よりトリマーガイドが左にずれていた場合、板材の端にバリが発生してしまう可能性が高いからです。

また、分割加工治具をガイドプレートの横に縦に置き、その厚みを利用して2回に分けて加工するこも可能ですが、どうしても僅かな段差の跡が残ってしまいます。

下記の画像は、6mmの幅の段欠き加工を同じ6mmのビットで加工したものです。

【段欠き加工で6mmの幅に6mmのビットで加工した時のバリ】

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このバリを取ろうとすると、断面の直角面に欠けが発生し、加工跡がデコボコになってしまう危険性があります。

そのため、段欠き加工の際には、求める幅よりも大き目の径のビットを使うことで、バリの発生を防止することが出来ます。

 

 

最も難易度の高いビットの突き出し量の決め方

ほぞ加工が成功するポイントは、メスの部分の溝の幅の6mmに少しきつめに加工された段欠き加工が出来ているという点です。

そのためには、少しづつ段欠き加工をする深さを増やしながら加工を進めて行く必要があります。

そして、最終的にトリマーで削って残された箇所が、メス側の6mmの溝に少しきつめに入るようにするというイメージです。

削り足りないものは、修正が可能です。

一方、削り過ぎた場合、修正は不可能です。

初めてこの段加工のほぞ加工をする場合には、溝の深さを試した板材をメス側にして下記の手順を一度試してみることをお勧めします。

ここでも、理論上の数字を基準にしないで現物合わせをして行く方が確実です。

加工する板材を、作業台の端から少し加工した箇所が外に突き出すようにして、そこにトリマーガイドを引いた墨線に合わせて固定します。

【段欠き加工のセッティング】

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その状態で、実際の板厚をノギスで測ります。

例えば、その板厚が14.8mmだったとします。

段欠き加工をして残った板厚が8mmの溝にぴったりと入ることを目指します。

計算上では、14.8mm ー 8mm=6.8mmという数字が出て来ます。

この計算上のビットの突き出し量である6.8mmにすれば求める板厚になりますが、コンマ数ミリまでトリマーの突き出し量を調整することは不可能です。

逆に、実際には6.8mmの突き出し量まで突き出してしまうと削り過ぎてほぞがゆるくなってしまう危険地帯だと考えて下さい。

そこで最初の突き出し量は、6mmを少し超えた辺りにして下さい。

6mmを超える突き出し量なので、ここでも1回ではなく分割加工治具を使用して、2回に分けて加工を進めます。

【1回目の段加工】

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最初の加工が終わったら、画像のように、加工が終わっているメス側の溝を段欠き加工したオス側に合わせてみて下さい。

 

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オス側の方はまだ太く、溝には入らないと思います。

でも、それでOKです。

ノギスで段欠き加工をした残りの板厚を確かめながら少しづつトリマーの突き出し量を増やして行きます。

ビットの突き出し量は、ノギスではなく感覚でコンマ数ミリの微調整をして行きます。

削れる木くずもわずかです、面倒でも慎重に突き出し量をほんの少しづつ増やして加工し、メス側の溝をはめて確かめて下さい。

恐らく2〜3度ぐらい加工を繰り返すと、少し強めにメス側を押すと、きつく溝に入り始め、全体を押すと溝にすっぽりと入ると思います。

【ほぞの完成した状態】

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その位置がビットの最適な突き出し量となります。

あとは、そのまま残りの3ヶ所の段欠き加工を進めます。

【段欠き加工が終わった状態】

completion-of-notched-processing

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加工が終わったら、全てのメス側の溝に段加工した箇所をはめてみて下さい。

全てのオスとメスが少しきつめに入り、片手で持ってもそのまま直角に結合され、上に持ち上がれば成功です。

もし、段加工を他の端材で試した場合には、適正なビットの突き出し量のまま、4ヶ所の本加工をして下さい。

 

8mmの溝が掘られた板材の底板の溝加工はチルトインで

残りの加工は、底板を落とし込む幅6mm、深さ3mmの溝加工だけです。

6mmのストレートビットを使う溝加工は、今回のように底板や裏板に5mmの合板を使う時にはめ込む溝を掘るために、非常に多く使われます。

一方、トリマーを購入した時に付属していた6mmビットは、切れ味が悪いものが多いと言えます。

切れ味の悪いビットは、加工後の溝のバリが多かったり、加工中の騒音が増すデメリットがあります。

使用する6mmのストレートビットは、切れ味のいいビットを用意しておくことをお勧めします。

 

では、メス側の8mmの溝が掘られている100mm x 85mmの面の底板の溝加工の手順をお話しします。

ここでも、溝が掘られている表の木肌や木目の状態を見て、どちらを上にするかを決めて下さい。

決めたら、下に向ける方の裏面を手前にして作業台の上に置きます。

墨線を引く位置は、底面から11mmで、この墨線の右側に幅6mmの溝を加工して行きます。

ここで注意が必要な点は、左右の端から端までを底板用の溝を掘ってしまうと、組み合わせた時にその溝が表に出てしまうという点です。

しかもこの表に出てしまう溝は、底板の固定には役立たない空洞の溝なので、見えない方が良いものです。

そこで、ここの溝は、チルトイン加工でトリマーを進入させ、設計図の加工図にあるように溝の開始と終着点は既に掘ってある8mmの溝までの間だけにします。

チルトインでトリマーを溝の開始地点に下ろして行く理由は、万が一ビットが材に触れた状態で回転を始めると衝撃があるため、それを防ぐためです。

もう1つこの加工で気になるのは、この底板の溝の方向は、木の繊維(木目)に対して直角の方向になっていることです。

普通なら出口の箇所で欠けが発生するのでクライムカットが必要ですが、クライムカットは不要だと判断します。

その理由は下記2点です。

・深さが3mmという浅いものなので、欠けが発生しても大きなものにはならない

・欠けが発生しても、その箇所は最終組み上げられると、隣の溝の中に押し込まれ、外側からは見えなくなる

深さも3mmなので、分割加工治具は不要なので、1回の加工で終了出来ます。

今回の加工は、効率を優先してクライムカット無しで1回で終わらせてしまいましょう。

【トリマーの開始地点を確かめるトリマーの姿勢】

position-of-laminate-trimmer

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ガイドフェンスにトリマーのベースプレートを沿わせ、何度かトリマーを浮かせ、また下ろすのを繰り返しながらビットが既に加工済みの溝に入る位置を見つけて行きます。

開始地点は、既に8mmの溝が掘られているので、6mmのストレートビットが材には当たらない箇所があるはずです。

位置が決まったら、トリマーを浮かせた状態で、トリガーのスイッチを入れ、ゆっくりとトリマーを下ろして行きます。

多少、材を削る気配を感じてもゆっくりとそのまま位置で押し込んで大丈夫です。

チルトインはしても、トリマーの姿勢が安定してから後退してカットをする必要はありません。

そのまま、ガイドフェンスにトリマーを沿わせながらトリマーを前進させ、トリマー下部の窓からビットが加工の終点である8mmの溝が掘られた所まで行ったことを確認し、トリガーのスイッチを止めます。

(加工の終着地点は、削る材がなくなりトリマーの加工音も静かになるので、音でも判断出来ます)

加工が終わっても、トリマーの回転が完全に止まるまで、トリマーは動かさないで下さい。

不用意に動かすと、トリマーガイドに接触したり、非常に危険です。

もう1枚の8mmの溝が掘られている板材も、上下の向きを決め、同じ加工をして行きます。

【底板の6mmの溝を掘るためのトリマーガイドの位置】

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このようなチルトイン加工は、神経を使う加工で難易度も高いものになります。

木工初心者の方でも、トリマーを傾けずに溝の途中から好きな位置まで加工ができる便利なストッパー付きの治具を考案しました。

その治具を使うことで、ここでの加工の難易度はかなり低くなります。

是非、そちらの記事も参考にしてみてください。

 

段欠き加工した板材の溝加工は、加工する面に注意

最後は、段欠き加工をした板材に底板用の溝を掘って行きます。

留意点としては、この溝が掘られた箇所は、全て内側になるので、表面の木肌や木目を見て、上下の位置を決めて下さい。

ところで、段欠き加工をしたどちら側が溝を掘る内側になるか、分かりますか?

そうです。

幅が69mmの広い面積の方です。

先ほどの底板用の溝は、既に8mmの溝が掘ってあったので明確でしたが、うっかりして狭い表側になる面に溝を掘ってしまわないようにして下さい。

底面から11mmの位置に墨線を引いて行きます。

この溝の方向も、先ほどと同じように繊維と直角に向けて加工するため、普通ならクライムカットが必要ですが、先ほどと同じ2つの理由でクライムカットが不要と判断します。

トリマーガイドを墨線に合わせ、ビットの突き出し量も先ほどの加工と同じなので、そのままで1回の加工で終了です。

組み立て

組み立て方は、3面を組み立て、その状態で底板を落とし込み、最後にメス側を上からかぶせて行きます。

 

【3面をはめこみ、底板を落とし込んだ状態】

how-to-set-up-the-pen-stand

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【組み上がった状態(設計図の上面図)】

completion-of-pen-stand-from-top-view

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如何でしょうか?

きちんと組み上がったでしょうか?

【設計図側面A】

completion-of-pen-stand-from-side-view-"A"

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【設計図側面B】

completion-of-pen-stand-from-side-view-"B"

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多少の隙間があっても、気にしないで下さい。

また、多少の出っ張りは、サンドメーパーで修正が可能です。

この後、ボンドで接着し、1日乾かし、下地処理をした上で、ご自分の好みの塗装で仕上げていって頂けたらと思います。

 

【塗装終了】

pen-stand

 

<クリックで拡大>

 

塗装については、下記別の記事で別途説明していますので、そちらを参考にして下さい。

 

 

 

まとめ

如何だったでしょうか?

イメージだけでも理解して頂けたでしょうか?

今回の内容は、正直言って、初心者レベルの加工ではありませんね。

中級者レベル以上の加工になるでしょう。

でも、このサイトで今まで私がお話をして来た、正確な墨線の引き方から出発して、正確な切断、正確なトリマーの加工方法の秘訣を総動員して頂けたら必ず出来る加工です。

ほぞ加工は、計算上の寸法より目の前にある板材のコンマ数ミリに合わせてメスとオスを加工して行く作業だと言えます。

でも、慎重に作業した結果、ほぞがお互いに少しきつめにきちんと接合した時は、毎回何とも言えない嬉しさが込み上げて来ます。

皆さんも。是非、電動工具の安全に注意してこのペン立てに挑戦してみて下さい。

何か、質問があれば何なりと問い合わせ先より頂けたらと思います。

 

今回活躍してくれたトリマー

【RYOBI TRE-55】

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もう15年ほど使っていますが、故障もせず、ソフトスタート付きで安定した加工をしてくれています。


 

今では、トリマーも静音化に配慮したものも多く販売されています。
こちらの記事では静音に配慮した使い勝手のいいお勧めのトリマーを紹介しています。
併せて参考にしてみて下さい。

 

以上

 

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