ラブリコを知っていますか?
ディアウォールなら聞いたことがあるでしょうか?
もう、それを使ってDIYを楽しんでいる方もいるかもしれません。
どちらも、2x4や1x4材の上下にはめ込めば、床と天井に突っ張り棒の原理で部屋に柱を簡単に設置出来るアジャスターです。
ディアウォールとその後に発売されたラブリコの登場は、木工のDIYの世界に大きな革命を起こしたと思います。
ほとんどの住宅の壁は石膏ボードの上に壁紙が貼られている仕様なので、お気に入りの絵や写真の入った額を飾ろうとすると、落ちないように止めるのに苦労しました。
でも、このラブリコやディアウォールで壁の前に2本の柱が立てられれば、その柱を利用してDIYで木の壁面や棚を作っていけます。
さらに、もう1つの大きな点は、賃貸に住んでいる人でも、柱を立ててたり、壁を作ったりするような大掛かりな作業がDIYで出来る点です。
ラブリコもディアウォールも突っ張り棒の原理で、柱が立っているため、引っ越す時には元の壁をそのままにして取り外しが可能だからです。
ディアウォールやラブリコは、私達木工のDIYをする者には、やりたいことの幅を大きく広げてくれました。
ただ、そんなラブリコとディアウォールは、仕組みが似ているので、どっちを選んでいいか迷っている方も多いのではないでしょうか?
この記事は、これから部屋の雰囲気を自分好みにコーディネートしたいと思っている木工DIYの初心者の方に向けて、下記内容をお話ししていきます。
・ラブリコとディアウォールとの違い
・ラブリコとディアウォールの組み立てに必要な工具
・私がラブリコをお勧めする理由
この記事を読むことで、簡単にDIYで部屋を模様替えしたいと思っている木工初心者の方に、その2つのアジャスターの違いを分かった上で、ラブリコやディアウォールを使って自分なりのお気に入りの空間を作っていけます。
今までDIYをしたことのない人でも、ラブリコやディアウォールを使えば、どうやって自分でも思い描く部屋に変えたらいいのか、そのイメージだけで分かって貰えると思います。
また、既にラブリコやディアウォールを使って楽しんでいる方や、一手間加えた自分だけの壁面に仕上げて行きたいと思っている方には、下記記事で私が2 x 4 材とラブリコで柱を建て、壁面の1 x 4 材に加工した実際の手順を詳しく紹介しています。
自分好みのコーナーを作る時の参考にして頂けたらと思います。
ディアウォールとラブリコの違い(2×4材用)
床と天井を支える仕組みが違う
ラブリコとディアウォールの一番大きな違いは、床と天井を支える仕組みが全く違う点です。
ラブリコ:ネジ式
【ラブリコの下部ー衝撃にも強い】

画像出典:ラブリコ公式ページ
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【ラブリコは上部の調整ネジを回して固定】

画像出典:ラブリコ公式ページ
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ラブリコは、はめ込む高さから95㎜引いた長さの 2 x 4 材の上下にセットのアジャスターをはめ込み、天井と床の隙間を調整ネジで締めて行きます。
ディアウォール:ばね式
ディアウォールはラブリコのような調整ネジで固定するのではなく、バネの力で固定します。

画像出典:ディアウォール公式ページ
【ディアウォール設置方法】

画像出典:ディアウォール公式ページ
ディアウォールは、はめ込む高さから 45mm 引いた長さの 2 x 4 材の上下にセットのアダプターをはめ込み、上のアダプターに入っているバネを押し上げながら固定して行きます。
ただ、実際にディアウォールを使ったユーザーの声では、45mmだと少しゆるく感じるため、はめ込む高さから 38mm 〜40mm の範囲を引いた長さが適切なようです。
ディアーウォールの適正な柱の長さについては、こちらのサイトが参考になります。
実際に試行錯誤して適正な長さを割り出した数字が出ています。
参考サイト:DIY Labo
【上下にディアウォールをはめ込み、先端を天井の端に入れる】

画像出典:ディアウォール公式ページ
【最後に柱の下部を押し込む】

画像出典:ディアウォール公式ページ
2×4材用アジャスターの種類と色
ラブリコもディアウォールも、一般的なDIYの作業で上下にはめ込むアジャスターの部分を隠すことは難しいと思います。
アジャスターが見えてしまうというより、見せるつもりで自分の好みの色や部屋の雰囲気に合う色を選択して行くのがいと思います。
ラブリコ
ラブリコは、その用途に応じて3種類のラインナップがありますが、どれも直線的なデザインをしています。
ラブリコの公式ページ上では、水性塗料であれば、アジャスターへの着色も可能だとされています。
その種類と色は下記のものになります。
2 x 4アジャスター(通常タイプ)

画像出典:ラブリコ公式ページ
手前左から ブロンズ, オフホワイト, ヴィンテージ グリーン,
奥左から ナチュラル グレージュ, マットブラック
2×4アジャスター STAPLER FIX

画像出典:ラブリコ公式ページ
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*付属の透明なパッドを、天井にホチキスかネジで固定し、アジャスターの滑りをなくします。
スタンダードなラブリコよりも、天井への固定がしっかり出来ます。
左からオフホワイト, ブロンズ, マットブラック
2x4 アジャスター 強力タイプ(耐荷重40㎏)

画像出典:ラブリコ公式ページ
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画像出典:ラブリコ公式ページ
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*耐荷重が40kgにアップし、別売りのテレビ専用金具を使った重量物を支えられます。
色:オフホワイト, マットブラック, ブロンズ, ナチュラルグレージュ, ヴィンテージグリ―ン
2 x 4アジャスター アイアン(直接雨に降れない屋外でも使用可)

画像出典:ラブリコ公式ページ
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画像出典:ラブリコ公式ページ
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用途は鉄パイプ等を固定する場合に使用
色:ブラック, ホワイト
ディアウォール
ディアウォールのラインナップは、丸みを帯びた形状の「R」タイプと直線的な「S」タイプの2種類があり、色はどちらも共通のものが用意されています。

画像出典:ディアウォール公式ページ
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左から ホワイト, ライト ブラウン, ダーク ブラウン, ブラック
2 x 4材用アジャスターの耐荷重の比較
ラブリコとディアウォールの耐荷重の比較をすると下記になります。
ラブリコ
・標準タイプ・STAPLER FIX・アイアン: 柱1本当たり 20kg
・強力タイプ :柱1本当たり 40kg
ラブリコの公式ページより
ディアウォール
不明
(公式ページには具体的な数値は、発表していませんが、ラブリコとそれほど差はないと思われます)
ただ、その耐荷重に応じた種類分けは、ディアウォールは1つなのに対し、ラブリコは3段階に分けて用意されています。
壁面の置いたり掛けたりするものが軽いものだけなら、標準タイプでいいでしょう。
でも、標準タイプだと少し不安な場合には、STAPLER FIXを。
いやいや・・かなり重量物だから強力タイプを・・
ラブリコの場合には、壁面を利用する重量によってラインナップの中から選べます。
1×4材用アジャスターの種類と色
1x4材は、2 x 4材よりもサイズが小さくなり、重さも軽くなります。
特に女性が一人で柱を立てたり、設置スペースが狭い場合には、手軽にコーナーを設置出来ます。
初めて棚や壁面を作ろうとする方は、お試し用としてお勧めです。
ラブリコ
1x4材用アイアンアジャスター

画像出典:ラブリコ公式ページ
2x4用のアジャスターと同様にネジ式で固定して行くアジャスターです。
雨が直接触れない場所なら屋外への設置も可能です。
色:ブラック, ホワイト
耐荷重:10kg(柱1本当たり)
縦(柱)にも横(棚)にも設置可能なアジャスター

画像出典:ラブリコ公式ページ
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画像出典:ラブリコ公式ページ
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画像出典:ラブリコ公式ページ
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上からオフホワイト, ブロンズ, ヴィンテージグリーン
*このアジャスターの止め方は、2×4 材用のアジャスターと違い、ストッパー式です。
また、後ろの壁との間に25mmの距離が必要になります。
【柱として使う時の設置手順】

画像出典:ラブリコ公式ページ
上下にアタッチメントをはめ込み、上部のストッパーを倒して固定

画像出典:ラブリコ公式ページ
耐荷重 縦(柱)で使用時:10kg(1本当たり) 横(棚)で使用時:1kg(棚板を含む)
【横にして棚として使用した例】

画像出典:ラブリコ公式ページ
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ディアウォール
ディアウォールにも、下記2 x 4材以外のサイズに使用出来るアジャスター用意されています。
設置の仕方は、どれも2×4材の場合と同じで,バネ式です。
ただ、2 x 4よりも板厚の薄い 1 x 4, 1 x 6 は、耐荷重と反りの問題があるため、使用する時に高さの制限があります。
制限の高さだと床から天井まで固定するには足りないので、下に腰ぐらいまでの高さのある家具の上に柱を立てるか何か約1m強のアジャスターを支えるものが必要になります。
形状 | 高さ制限の有無 | 高さ制限 | ||
1×4 | 19mm x 89mm | R(丸みあり) | あり | 1,100mmまで |
1×6 | 19mm x 140mm | S(直線) | あり | 1,300mmまで |
2×6 | 38mm x 89mm | S(直線) | なし | ー |
* 参考:使用する材のサイズ
1×4:19mm x 89mm
1×6:19mm x 140mm
2×6:38mm x 89mm
1x4材用(形状R)

画像出典:Amazon
色:ホワイト, ブラック, ライトブラウン
1x6材用(形状S)

画像出典:Amazon
色:ホワイト, ブラック, ダークブライン, ライトブラウン
2x6材用(形状S)

画像出典:Amazon
色:ホワイト, ブラック, ダークブライン, ライトブラウン
組み立てに必要な工具
ラブリコでもディアウォールでも必要な工具は同じです。
・スケール(コンペックス・メジャー)
・丸ノコかまたはのこぎり
(ホームセンターのカットサービスも可能)購入した2x4(1x4・1x6)を所定の長さに切断
・電動ドライバーかドライバー(ネジ廻し)
柱と柱に渡して行く壁板の固定に使用多い場合には、電動ドライバーがあった方が楽です。
・ネジ止め用ビット(電動ドライバー用)
・サンドペーパー #80(#60)・#120・ #240
切断面は#120で研磨し、表面を#80→#120→#240と順番に研磨していってください。
・壁面用塗料
壁面の塗料は、塗って拭き取るだけのオイルステイン塗装をお勧めます。
木目も生かせて、筆の跡も残らず、失敗のない塗装方法です。
・センターポンチ
ネジを止める場所に印を付けて行きます。
・コースレッド(ネジ)
2 x 4用のお勧めはラブリコ その理由
私は一般的な2×4材のアジャスターは、ラブリコの方をお勧めします。
その理由は
リビングや部屋の中にテレビを掛けられるオプション金具があったり、生活空間を広げるアイテムが多い点ははとても魅力的です。
この中でラブリコの一番大きなメリットは、柱の固定方法がネジ式なので、ネジの締め具合を確かめながら調整出来る点です。
一番ゆるめた状態で、柱を立て、そこから徐々にネジで締めて行けます。
特に強すぎると感じたら、ゆるめることも出来ます。
それに対して、ディアウォールは、一発勝負です。
柱が垂直に立って、きつめに固定された状態が理想ですが、最初からその長さに近い長さの柱を床と天井にはめ込んでいくのは、特に女性には難しい作業でしょう。
柱を垂直に立てた時にゆるいと感じた時のために、厚さ2mmの高さ調整用のスぺーサーが2枚同梱されていますが、それを入れてもゆるく感じた場合は修正が不可能です。
”ディアウォールの公式ホームページ上で公表されている「高さマイナス45mmを引いた長さ」にすると、ゆるく感じる” というユーザーの声を聞くと不安になります。
きつい場合には、切断すれば解決しますが、ゆるかった場合には、調整が困難です。
適正な長さの再確認やアジャスターの仕組みを変えたり、高さを補正するスペーサーの枚数を増やす等の改善が望まれます。
ラブリコの様々なデザインと用途のラインナップ
棚板支えるための支柱の金具です。
四角い金具の間に棚板を通し、棚板を固定します。
デザインがとてもシンプルで、おしゃれだと思います。
三角の底面の上に板材を乗せ、下から棚板を支える金具です。
デザインが何と言っても秀悦です。
重量物である液晶テレビをラブリコで作った壁に固定するための金具です。
テレビが壁に収まれば、テレビ台のあった下の箇所は、スッキリした空間が新たに生まれますね。
自転車がお好きな方は、愛用の自転車を部屋の中に吊るすことも可能なようです。
その際は、ラブリコの中でも強力用の重量物を扱えるものを使い、別途重量物を吊るすためのハンガーが必要になってきます。
また、万が一吊るしていたテレビや自転車が、地震等の原因で外れた場合、重大な事故に繋がりかねません。
事前にラブリコ側に、吊るそうとしているモノの大きさ・重量・設置する部屋の広さ・子どもがいるのかいないか等を伝え、取り付ける際の注意点等を確認するようにして下さい。