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自作トリマーガイドの使い方 |もっと使いやすく、もっと効率的に

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自作治具
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トリマーは、電動ドライバーと同じシンプルな構造の電動工具ですが、ビットの回転数が他の電動工具よりも高速なため、動きをコントロールするのが非常に難しい工具です。

そこで別の記事「 トリマーガイドの自作」で紹介したような、正確な精度で加工が出来ることはもちろん、扱い方が簡単なトリマーガイドが必要になります。

ただ、この自作のトリマーガイドの最大の欠点は、比較的狭いベースの上にトリマーを動かすため、どうしてもトリマーが傾いてしまうという欠点があります。

この記事では、その欠点を補う方法を紹介します。

その方法で作業をすることで、トリマーの姿勢が安定し、トリマーの最も基本的な加工である直線の溝を掘る作業がストレスなく、精度の高い溝の加工が出来るようになります。

「直線の溝を掘る」と聞くと単純な加工のように思えますが、トリマーが一度に加工出来る深さは3mm前後です。

もし、6mmの深さの溝を掘る場合には、まず、1回目の加工でビットを3mmの突き出し量にして加工し、2回目の加工で、今度は突き出し量を6mmにして加工するといった手間が発生します。

また、6mmの幅の溝を加工し、次に8mmの溝を掘ろうとした時には、ビットを8mm用のものに付け替えないとなりません。

木工のトリマーの加工では、こんなビットの深さの調整やビットの交換が頻繁に発生します。

このような手間の掛かるビットの深さ変更や溝の幅を変える必要がある時に、ビットの深さ調整や、ビットの交換をしなくてもいいように出来る便利な治具も紹介します。

この記事を読むことで、自作したトリマーガイドをさらに活用して、精度の高いトリマー作業を効率化することが出来ます。

また、これからトリマーの購入を検討している方がいたら、別の記事「静かでビット周りの操作が楽なお勧めのトリマーのベスト3」で、静音に配慮され、ビットの深さ調整やビット交換をワンタッチで出来るお勧めのトリマーを紹介しています。

自宅でトリマーを使用すると、どうしても作業音が気になる方が多いと思います。

また、トリマーは、ビットの深さ調整やビット交換を必要とする場面が頻繁にあります。

最初から、トリマー自体にビットの深さや交換時の便利な機能があるに越したことはありません。

そんな機能を持ったトリマーを紹介しています。

是非、そちらの記事も併せて参考にしてみて下さい。

 

【トリマー用治具を使った溝堀り】

the-groove-of-the-slope-by-laminate-trimmer

<クリックで拡大>

 

治具の上のトリマーの姿勢を安定させる秘訣

自作の丸ノコ治具とは違い、トリマー用のガイドフェンスの上にトリマーを乗せると、ベースプレートの幅はとても狭いと感じると思います。

トリマーのベースプレートは比較的小さく、トリマーガイドはさらにその半分近くを切り離してしまうからです。

しかも、トリマーの背は高いので治具の上を傾かないように動かすことは、慣れない初心者には、難しい作業です。

秘訣1 トリマーの上部を持たないこと

よくYouTube等の動画で、トリマーの上部を持って加工している人を見かけますが、正確な加工は難しいと思います。

トリマーを動かすときには、ビットが見える空いている箇所の後ろ側を包み込むようにして、ベースプレートの近くを持つ必要があります。

 

【トリマーの持ち方】

how-to-clasp-laminate trimmer

<クリックで拡大>

 

詳細は別の記事「木工トリマーの使い方【超初心者向け:初めて触るトリマー】」で詳しく説明していますので、そちらの記事も参考にしてみて下さい。

秘訣2.トリマーガイドの横に当て木を置く

トリマーの下の方を持ったとしても、トリマーを使い慣れていない初心者の方は、どうしてもトリマーが傾いてしまうと思います。

そんな時は、加工する材の右側にトリマーと同じ板材の厚みの端材を置き、その上にベースプレートの右側が置かれるようにすると、トリマーの姿勢が安定します。

resolution-for-level-difference

<クリックで拡大>

その際、加工する板材の厚み+治具の厚み(5.5mm)分も足すことを忘れないで下さい。

どうですか?

この右横にトリマーのベースプレートと同じ高さになる当て木を置くセッティングで加工をすると、びっくりするほど安定した加工が出来ませんか?

 

自作トリマー用治具の使用上の注意点

ビットの突き出し量は、治具の板厚をプラスする

私も時々うっかりしてしまうことです。

例えば、部材に幅が6mmで3mmの深さの溝を掘る場合を想定しましょう。
トリマーに6mmのストレートビットを付け、ビットの突き出し量を3mmにして、さあ、加工しようとすると・・

その設定のままでこの治具を使って加工すると、ビットは空回りしているだけです。

当たり前のことですが、板厚が5.5ミリの治具の上にトリマーを乗せているため、トリマーのベースプレートが5.5ミリ分上に上がっているからです。

もう一度、この治具の加工時の状態を確認してみましょう。

 

 

setting-of-jig-for-laminate-trimmer

<クリックで拡大>

 

この治具を使用してビットの突き出し量を設定する時は、必ず治具の板厚の5.5ミリを足した突き出し量にする必要があります。

この例の場合、この治具を使って加工しようとする時

ビットの突き出し量は、5.5mm(治具の板厚)+3mm(目的の深さ)=8.5mm がビットの突き出し量になります。

*トリマーのビットの付け方と外し方は、別の記事トリマービットの取り付け手順を参照下さい。

*トリマーのビットの突き出し量の設定の仕方は、別の記事ビットの突き出し量(切断する深さ)の設定の仕方を参照下さい)

トリマー加工をする墨線に矢印を入れる

この原則も、丸ノコ治具と同様のものです。

丸ノコ用治具と同様、トリマー用治具も治具を制作する時には、中央のガイドフェンスにトリマーのベースプレートを沿わせて作ります。

そのため、墨線に治具の右端を合わせて加工するため、墨線の右側がビットの直径分の幅だけ加工されます。

ただ、現実の一連の木工作業の中で、墨線を引く状況は、多くの部材に次から次へと墨線を引いて行きます。

いざ、トリマーの加工をしようとした時、墨線が引かれた部材の置く向きを間違えてしまうと想定外の結果になってしまう時があります。

例として、部材の端から50mmを確保して1本の墨線を引き、そこから6mmの溝を加工しようとした場合を図で示します。

 

 

different-direction-of-working-wood

<クリックで拡大>

上の図は、部材の端から50mmの位置に墨線が引かれ、必要な端から50mmの箇所は治具の下になっています。

この加工では、部材の端から50mmの寸法が確保され、墨線の右側から6mm幅の溝が加工されます。

irritated-woman右の図は、誤って部材を180度反対向きに置いてしまった場合です。

治具は左の図と同じように墨線に沿って置かれています。

左の図と違う点は、確保したい部材の端からの50mmの箇所が治具の下になっていないことです。

この治具の設定のまま加工した場合、墨線の右端から6mmの幅で溝が加工されると、結果的には部材の端からの距離は、50mmー6mmの44mmの箇所に溝が彫られてしまいます。

これを避けるには、トリマーの加工に慣れるまでは、墨線を引く時には、下記手順をすることをお勧めします。

トリマーで加工をする箇所に墨線を書くときの注意点

 

1.部材の端から確保した寸法に墨線を引く

2.その墨線から向かって右側に矢印を書く(墨線から右側に溝が彫られるという意味)

3.治具を墨線に合わせた時に、右向きの矢印が見えている状態で加工を開始する

 

尚、正確な墨線の引き方は、別の記事「木工DIYの精度を決める墨線の引き方」で説明しています。

併せてそちらの記事も参照して下さい。

分割加工治具を使えば、溝の深さと幅を変えられる

ビットの突き出し量を変えずに溝の深さを変える機能

別の記事で紹介した「トリマーガイドの自作」では、厚さ5.5 mmの合板の右端を切り離して行きました。

ただ面倒なのは、5.5 mmの切断は、1回で加工する適正な突き出し量の3mmを超えた加工なので、2回もビットの突き出し量を変える作業が必要だった点です。

それを効率化するのが「分割加工治具」です。

でも、「治具」とは言っても、簡単な仕組みです。

その仕組みは図の方が分かりやすいので、下図を参照してください。

 

structure-of-jig-named-"分割加工治具"

<クリックで拡大>

 

トリマーのビットの突き出し量は、最終の目的の突き出し量にしておきます。

この図の場合は5.5mmです。

治具の上に、3mmの板厚の「分割加工治具」”枕”の合板を乗せると、トリマーのベースプレートは上に3mm持ち上がります。

一方で切断する部材に対するビットの突き出し量は、5.5mm - 3mm となり、2.5 mmになります。

この状態(ベースプレートの上に枕を乗せた状態)で一回目のトリマーの加工を開始します。

完了後、今度は”分割加工治具”を外して加工します。

2回目の加工は、既に一度目の加工が終わった跡をトリマーの刃が通るので、5.5mm - 2.5 mmの3mmの板厚の加工をすることになります。

2度目の加工が完了すると、切断箇所は切り離され、加工は完了です。

このように、”分割加工治具”は、最初に目的の深さのビットの突き出し量にしておいたまま、徐々にトリマーのベースプレートの下の分割治具を外すことで、ビットの突き出し量を変え、ビットに掛かる負担を減らすことが出来る便利なものです。

私がトリマーで深い深さまで加工する時には、枕を2枚も3枚も重ねることもあります。

暇を見て、1mm、2mm、3mm, 5mmぐらいまで治具の長さに合った合板やアクリル板を分割加工治具として用意しておくことをお勧めします。

幅は、治具のトリマーに触れない幅でいいのですが、あまり幅が小さいとトリマーが安定しなくなってしまいます。

厚みがすぐに分かるように、厚さを〇〇mmとマジックで書いておくことをお勧めします。

スケール等周囲のものの厚みを利用することも有りです。

加工の都度、ベースプレートと同じ高さにする当て木の側にも分割治具を敷くことで、トリマーの姿勢を安定させた加工が出来ます。

ビットを変えずに溝の幅を変える機能

さらに分割加工治具の応用編です。

分割加工治具をガイドフェンスの脇に置くと、下記図のようにビットを変えずに溝の幅を広げることが出来ます。

jig-for-widen-groove

<クリックで拡大>

 

板厚3mmの枕をガイドフェンスの横に置くと、トリマーの位置は横に3mmだけ移動します。

6mmのストレートビットを付けてこの状態で、1回目の加工をします。

1回目の加工が終わると、幅6mmmの溝が出来ています。

2回目の加工は、ガイドフェンスの横に置いた枕を取ります。

すると、トリマーは3mmだけ左側に移動します。

この状態で2回目の加工をします。

すると6mm+3mmの合計9mmの幅の溝が掘れました。

このように、分割加工治具は、一度付けたビットを外すことなく、付いているビットよりも大きな幅の加工も出来ます。

【分割治具を横に置いた1回目の加工のポジション】

setting-for-jig-at-first-time

<クリックで拡大>

 

【分割加工治具を取った2回目の加工のポジション】

setting-for-jig-at-second-time

<クリックで拡大>

 

まとめ

市販されているトリマーやルーター用の治具は、色々便利なものがあり、その精度も高いものがあります。

ただ、私がこのサイトで紹介している自作の治具は、材料費はわずかなものです。

趣味でする木工は、使える金額は限られていると思います。

お金を掛けなくても、プロに負けない木工作品が出来たら楽しいですよね?

その中で、色々面倒なことや上手く行かない作業を解消するこの手の治具を自分の手で作って行くことも、作品を作るだけではなく、木工の楽しさの中の1つかと思います。

この記事で紹介した秘訣やちょっとした治具で、自作のトリマーガイドを使い込んで行って下さい。

以上

 

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