丸ノコ治具の自作

自作治具
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 市販の丸ノコ治具のメリット・デメリット

 

市販の丸ノコ治具のメリット

1.切断作業の直線性が得られる

 

2.切断する箇所の直角が得られる

 

市販の丸ノコ治具のデメリット

1.丸ノコの切断箇所を隅線に合わせることが、難しい

2.切断面と板材を合わせて直角を確保する金具が付いているものは、部材に角度のある切断をしたい場合には、邪魔になる

3.切断する板材の長さは定規の長さに限定されてしまう

4.今回製作する自作の丸ノコ治具と同じ60㎝の長さのもので、¥5,000代と比較的高価

単体で販売されている丸ノコ治具以外にも、丸ノコやジグソー、トリマーのような電動工具には、本体を購入した際に予め直線性を補助するガイドが同梱されているものもあります。

ただ、これらの補助ガイドで共通して問題になるのは、墨線の書かれた通りに加工するためには、補助の定規の位置を何処で固定したらいいか、という初心者の方には、とても難易度の高い問題を抱えています。

通常の文房具の定規と同じように、墨線に沿って、丸ノコ定規を当てて加工出来ればいいのですが、それが出来ないから難易度が高くなってしまうからです。

その難易度は、電動工具で実際に切断される刃の間には、工具のベース面と刃までの距離の”オフセット”というやっかいなものが存在するからです。

もし、墨線に合わせて電動工具を前進させて加工すると、そのオフセット分だけ、板材の右側を切断してしまうことになります。

そこで、先に予想される電動工具の加工面を墨線に合わせ、その後に定規を固定する場所を決めて行くことになりますが、特に丸ノコの切断箇所は、非常に見にくい箇所にあります。

その誤差を考慮して、若干長めに切っておき、何度か切断を繰り返し、墨線まで近づけて行き、最後にカンナで微調整をしたりすると、切断の効率はどんどん悪化してしまいます。

もし、丸ノコの切断箇所を見誤って短く切断してしまうと、修正は不可能です。

【丸ノコ治具の特徴】

Characteristics-of-circular-saw -guide-1

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【丸ノコの切断箇所】

cutting-position-of-circular-saw

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自作丸ノコ治具の特徴

 

使い方はシンプル 墨線の上に治具の端を合わせるだけ

* 治具製作の前提:治具を製作する丸ノコが、直角に切断出来る調整が済んでいること

丸ノコの直角の調整方法は、別の記事「丸ノコの切断面が直角かどうかを確認する」を参照

 

直角を得るための補助具はないため、自由な角度で切断が可能

 

治具を製作した丸ノコの専用の治具

この治具は、治具に固定したガイドフェンスに沿って、切断することで製作して行きます。

現物合わせで切断して作った治具なので、治具の右側の切断面をそのまま墨線に合わせさえすれば、ガイドフェンスに丸ノコをピッタリと沿わせて丸ノコを動かせば、刃は何度でも同じ軌跡で動いてくれます。

丸ノコの刃が切断した跡が墨線上を通るという仕組みのため、この治具は、製作に使用した丸ノコ専用の治具になります。

【自作丸ノコ治具の特徴】

Characteristics-of-circular-saw -guide-2

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正確な切断が可能なため、次の工程が楽になる

手工具のノコギリの切断は、気持ち長めに切断し、その後にカンナで墨線ギリギリまでサイズを整えて行く作業が一般的だが、一度の切断で正確なサイズが得られるため、その後の作業は不要になります。

自作丸ノコ治具の制作手順

設計図

design-drawing-of-circular saw-guide

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中央のガイドフェンスが治具の底面よりも長い理由は、丸ノコがスタートする地点と切断が完了する最後の地点まで、丸ノコのベースプレートをそのままガイドフェンスの延長線上に沿って導くためです。

私の使用した丸ノコのベース面から刃までのオフセットの距離は88mmでした。

設計上では、ガイドフェンスからの部材としての距離は88mm + 20mm だけ余分に取ってあります。

また、全体の墨線が確認出来るように、ガイド穴も設けています。

治具の製作過程でガイドフェンスに沿って切断すると、その墨線のガイド穴は半円になるようにしてあります。

必要な工具

 

必要な工具

・丸ノコ

・電動ドライバー

・直径35ミリのファスナービット

・プラスドライバー用ビット

・皿取りビット

・差し金・スケール

・両面テープ

・長さ8ミリ〜10ミリ平ネジ5個

・#120〜#180 紙やすり

・墨線用シャープペンシル(鉛筆)

 

必要な部材

 

必要な部材

・パイン材:18mm x 35mm x 400mm

・シナ合板:5.5mm x 600mm x 200mm

・角材:15mm x 35mm x 850mm

*治具の底面になる板材の厚さは、丸ノコの重みで反らないための目安として最低でも5.5 mm 程度は必要です。

*素材はシナ合板ではなくても、ベニヤの合板でも構いません。

*ガイドフェンスの素材もパイン材ではなくても、角材でも構いません。

*治具が切断出来る長さは、私が良く使う標準的な板材に必要と思われる長さとしました。

1mを超える長さのものや、もっと短くして取り回しの楽なもの等、いくつか長さの違いものを作っておくことも便利になります。

私の場合は、1,000mm(1m)用のものも作って使用しています。

丸ノコを安全に作業する上での留意点

丸ノコを初めて使う初心者の方のために、安全に丸ノコを作業する上での留意点をまとめました。

丸ノコを使用する際の留意点

・丸ノコの刃の出具合を調整する作業は、必ず丸ノコの電源ケーブルは外しておくこと

他にも刃の交換等、丸ノコの刃に指を近づけて作業をする場合も同様

誤って丸ノコの刃が動き出さないようにするため

・切断する部材と下の敷板は、作業台の端に合わせた状態で丸ノコのトリガーを入れること

丸ノコの前進と安全カバーの動きがスムーズに連携出来ずに、丸ノコが上下に動いてしまう

丸ノコの刃が、切断する部材に当たっていないことを確認した上でトリガーを押すこと

→ 刃が部材に当たっている状態でトリガーを入れると、刃に当たっていた部材が急速に回転を始めた刃によって衝撃と部材が予想が出来ない動きをしてしまうことがある

・丸ノコの切断が完了しても、トリガーを離し、モーターの回転が完全に停止するまでは丸ノコを動かさないこと

→刃が回転した状態の丸ノコを安易に動かすことは非常に危険

丸ノコ自作ガイドの加工手順

1.必要な部材をカットする

初心者の方は、自分で正確な切断面の直角と直線性のある切断は、まだ治具がないため難しいので、部材を購入するホームセンターのカットサービスで済ましてしまうことをお勧めします。

特にガイドフェンスになる部材の直角と直線が確保されていることが重要なためです。

2.設計図を見ながら、各部材を固定する位置に墨線を入れて行く

尚、正確な墨線の入れ方は、下記記事を参照して下さい。

差し金を使った正確な墨線の引き方

3.治具のベースになる底板に、丸ノコのガイドフェンスになる部材を両面テープで接着させる

fixing-of-guide-fence-by-double sided tape

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4.ガイドフェンスは正確な切断精度を維持するために、強度の高い接着が必要

そのため、治具のベースの底板の裏から丸ノコのガイドフェンスを木ネジで止めるための墨線を入れる(5ヶ所)

ネジを止める箇所も単純に等間隔ではなく、丸ノコを前進させる動きを想定し、丸ノコをフェンスに押し当てる力がどうしても入りやすい、フェンスの手前側と最後の箇所も近い箇所にネジ止めをする方が、ガイドフェンスの接着強度が増すと思われます。

5.木ネジで止める墨線の目印にセンターポンチで印を付けて行く

pushing-by-center-punch

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6.このネジ止めは治具の底面になるため、留めたネジの頭が少しでも出ていると治具の使用時にグラ付くため、皿取りビットで座繰りをしておく。

皿取り錐ドリル ビット

尚、座繰りをしたことで、ネジ止めが終わるとネジの頭はさらに奥に沈み込むため、ネジの先端が、ガイドフェンスに突き出ないかを確認をしておくこと

spot-facing-drilling

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7.座繰りした箇所5ヶ所に電動ドライバーで木ネジ止めて行く

result-of-screwing

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8.治具の右端に、墨線が見えるようにするため、墨線のガイド穴を直径35mmのフォスナービットで穴開けをして行く

*穴あけには、下に敷板を置いて強く押し当てて貫通させることで、バリの少ない加工が可能

cutting-by-fosner-bit

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10.敷板の上に治具を置き、その上に電源ケーブルを外した状態で丸ノコを乗せ、下記手順で丸ノコの刃の出具合を調整する

1)丸ノコの刃の深さ調整ボルトをゆるめ、安全カバーの手前にあるガイドを右一杯に倒す

adjustment-of-extruding amount-of-blade

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2)左手で丸ノコのベース部分が治具の上にぴったりと付くように押さえると、丸ノコの自重で刃が下りて敷板に付いた時点で停まる

fixing-of-extruding-anount

 

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3)安全カバーを右端に倒していた手を離し、左手は丸ノコのベースを下に押さえたまま、右手でゆるめた深さ調整ナットを締めて刃の出具合を固定する

11.丸ノコ治具とその下の敷板を作業台の端に合わせた状態で、丸ノコのベース面の先端を治具に乗せ、丸ノコのベース面の左側にガイドフェンスがピッタリと押し当てられた状態にする

*この時には、まだ丸ノコの刃が、切断する治具の部材に当たっていないことを必ず確認する

setting-of-circular saw-on-this-saw-guide

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12.丸ノコのトリガーを入れ、ゆっくりと丸鋸のベース面の左側が、ガイドフェンスに沿って動いていることを意識しながら前進させて行く

position-of-circular saw -cutting

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13.切断が完了した時点で、丸ノコは停止させた状態のままでトリガーを離し、モーターの回転が止まったことを確認してから,丸ノコを移動させる。

14.万が一切断面が残っていた場合は、切断が終わっている箇所に丸ノコの刃を入れ、丸ノコのベース面の左側がガイドフェンスに密着をていることを確認の上、トリガーを入れ、前進させて切断をやり直す。

15.治具の左端に、治具を左手で押さえるためのハンドルを両面テープで固定して行く

ハンドルの接着の強度は、強固なものはそれほど必要ないため、底板の裏側からのネジ止めは不要

paste-of-saw-guide-handle

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complete-view-of-circular saw-guide

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16.半円上に切り落とされた箇所にバリ発生してしていたら、サンドペーパーの#120程度の紙ヤスリを丸棒等にかぶせ円筒形にした状態でバリを取り除く

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17.治具の底板の裏側に、滑り止めのため、#120〜#150程度の荒さの紙ヤスリを木工用ボンドで貼付する

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この底板への加工で、治具の部材表面への密着度を高め、安定した切断が可能になる

自作丸ノコ治具の使用上の留意点

1.治具を使い切断すると、墨線の右側が刃の厚み分だけ切断される

この治具の仕組みは、電動工具の使用で発生する刃の位置と墨線までの間隔である”オフセット”を利用したものです.

さらに正確に言うと、下記の図のようにオフセットの距離とは、切断する作業者から見て、左にある治具のガイドフェンスから、丸ノコの刃の左の側面までの距離になっています。

side-view-of-processed-lumber-&-saw-guide-&-circular saw

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私の丸ノコの刃の厚みは2mmあります。

刃はメーカーや直径によって違って来るので、使用する丸ノコの刃の直径を測っておいて下さい。

このことから、治具を使う際は、必ず切断されて使用することになる部材の上に乗せて切断しないと正確な切断が出来なということになります。

治具の右側の端と墨線をぴったりと合わせて切断することで、刃の厚み分をその右側に逃がすという考え方です。

thicknee-of-circular-saw

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2.治具を平面にして切断する

この治具は、丸ノコのベースプレートを治具のガイドフェンスの沿わせて丸ノコを前進させて切断するものなので、治具が安定した状態で平面になっていないと使えません。

具体的な場面としては、下記2つのケースです。

1)横引き(木目に直角に切断する)等で切断面の長さが短く、丸ノコを治具に乗せると治具が前に傾いてしまう場合

この場合は、切断する治具と同じ厚さの板材を当て木にする必要があります。

適当な板材がない場合は、厚みに近づけるように板材ではなくても、何でも構いません。

私の場合は、薄い合板やスケール等何でも当て木にして使っています。

2)板材の幅が薄く、治具が左に傾いてしまう

切断する部材の幅が50mm以下の部材の場合、当て木をして安定したように見えても、切断を開始すると、丸ノコの動きに耐えられずに動いてしまいます。

その際には、板材の裏側に両面テープを貼り、敷板と固定した上で当て木をすると切断が可能になります。

1)と2)のケースを図にまとめると下記になります。

resolution-of-level-difference

 

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まとめ

板材の加工で最初に行なう作業が切断でしょう。

その前提として、正確な墨線が板材に引かれていることと、丸ノコの直角度が保たれていることが必要です。

正確な墨線と丸ノコの直角が正しくセットされていれば、ご紹介した丸ノコ治具をその墨線にぴったりと当てれば、丸ノコの刃は、いつもその墨線上を動いて切断します。

この治具が完成し、切断してみるときっと簡単に正確な切断が出来るようになったレベルアップしたご自分に気付いて頂けることを願っています。

以上

 

 

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